[対象: 上級]
Bingは、SSL検索を試験的に導入開始しました。
暗号のためのHTTPSプロトコルを利用した https://www.bing.com でアクセスできます。
試験導入
Search Engine LandがMicrosoftに確認したところによると、SSL検索の試験的な導入です。
Bingでは、検索体験を高めるための実験を常に行っており、オンラインでのプライバシーを守れる選択をユーザーが求めていることを理解しています。HTTPS経由でBing.comに選択的にアクセスできるオプションを提供することで、どのようにしてBingを使うかをすべてのユーザーに自分で決めてもらうことができます。一方で、私たちはこの機能性をどのように実装していくかを慎重に検討しています。
今のところは強制的なSSL検索ではなく、明示的に https:// でアクセスしないと暗号化通信にはなりません。
Microsoftアカウントのサインイン(ログイン)状態にも依存しません。
SSLを使いたい人だけが使える状態です。
アクセス解析の検索キーワードはどうなるのか
SEOに取り組む僕たちにとって気になるのが、アクセス解析ツールで取得する検索キーワードがどうなるかです。
Googleのように、(not provided)になってしまうのでしょうか?
Microsoftは次のようにコメントしています。
現時点では、BingにおけるHTTPの展開をまだ徐々に奨めている段階です。実装の展開を続けながら、SEO/SEMコミュニティのニーズを最重要として捉え、ユーザーのプライバシーとセキュリティへの関心とのバランスを取りたいと考えています。
検証によると、BingのSSL検索からのリファラーは今の時点では次のようになっているようです。
- httpのページヘのアクセス: リファラーが完全に渡らず、直接の「Direct」トラフィックとして計測される
- httpsのページヘのアクセス: Bing検索からのリファラーが渡り、検索キーワードも取得できる
httpsページからhttpページヘの移動にはリファラーが渡らず、httpsページからhttpsページヘの移動へはリファラーが渡るのはHTTP/HTTPSプロトコルの既定の動きです(Googleの場合は、検索結果からhttpsページヘ飛んでもキーワードは削除される)。
もしサイト全部をSSL通信で保護、つまりhttps接続にしているのであれば、Bingの今のSSL検索の仕様はキーワードの取得に影響を与えません。
今までどおり、Bing検索からのトラフィックであることと検索キーワードを取得できます。
といっても、全体をSSLにしているサイトは稀なはずで、一般的なサイトはBing検索からのトラフィックであることもわからなくなってしまいます。
ただしGoogleに対する(not rovided)へのSEO業界からの批判がものすごく強いことをMicrosoftは知っているはずです。
Googleとは違ったアプローチを今後Bingがしてくることも十分に考えられます。
時代はSSLへと向かっている
BingがSSL検索を標準として採用するかどうかはわかりません。
仮に完全SSL化したとしても、Bingのシェアが低い僕たち日本の市場ではさほど大きなインパクトはないように僕は思います。
しかしながら、インターネットサービス提供者がユーザーのプライバシー保護のためにSSL化に向かっていることを認識しておきたいところです。
Googleは、ほぼすべてのサービスでSSLを標準にしています。
米Yahoo!も、通信を暗号化する選択肢を2014年上四半期中にユーザーに提供予定です。
TwitterやFacebookも今はHTTPS接続になっています。
ユーザーにとっては自分のプライバシーが保護されることは非常に重要です。
GoogleやBingもユーザーの要望に応えることを望んでいます。
BingのSSL化に対しても今後の動向を見守りましょう。