[レベル: 中級]
Googleは、設定したリダイレクトが301リダイレクトではなく、たとえ302リダイレクトであってもPageRankを渡すことがあります。
以前からわかっていたことですが、本当に302がPageRankを渡すのかどうかの議論がSEO界隈で再燃しています。
一緒に見てみましょう。
302リダイレクトはPageRankを渡す
ジョン・ミューラーは302はPageRankを渡すと言っていたけど、MOZのサイトには302はPageRankを渡さないと説明がある
どちらが正しいのか?
こんなTwitterでの質問に、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏は次のように答えました。
302と301に関しては昔から依然として混乱がある。302は問題ない。時間があればいつか詳しく書きたい。
@dhinckley @randfish There's still confusion on 302/301 from the olden days; 302s are fine. I'll write up something more when I have time.
— John Mueller (@JohnMu) 2016年3月23日
ツイートだけでははっきりしないかもしれませんが、ようは302リダイレクトでもPageRankを渡すとミューラー氏は言っています。
しかし、ミューラーが言っていることは正しくなく、302は実際にはPageRankを渡さないと主張する反論が出ます。
実際のところどうなのでしょうか?
PRを渡すかかどうかではなく、どちらをインデックスするかの問題
ミューラー氏は昨年10月のオフィスアワーで302がPageRankを渡すことについて説明していました。
302はウェブサイトに悪いことで、PageRankにも悪く、PageRankが消滅してしまい評価を渡さないと考える大きな誤解があるように思う。
これは明らかに正しくない。
私たちがリダイレクトを認識しそれが302なら、まず、一時的なリダイレクトだと想定する。そして、リダイレクト先のURLではなく元々のURLをインデックスさせたいのだろうと想定する。一般的には、これが私たちが302に対してやろうとすることの1つだ。
しかし、実際には恒久的なリダイレクトっぽくて、ひょっとしたら間違えて構成された302なのではないかと認識したら、そういった302を301として本当に扱う。つまり、リダイレクト元のURLではなくリダイレクト先のURLを代わりにインデックスしようとする。
したがって、PageRankを渡すとか渡さないという問題ではない。どちらのリダイレクトもPageRankを本当に渡す。どちらのURL(リダイレクト元URLかリダイレクト先URLか)を実際に検索結果に表示するかという問題にすぎない。
インデックスするのはリダイレクトしている方か? 一時的なリダイレクトならどちらが意味をなすだろうか?
それともインデックスするのはリダイレクトされた方か? 恒久的なリダイレクトならどちらが意味をなすだろうか?私たちは必ずHTTPステータスコードの結果も見る ―― 301なのか302なのか。だが、単に見る以上に利口なこともやろうとする。ウェブマスターがうっかりやってしまったかもしれない間違いを修正しようとする。
HTTPプロトコルの規則に正しく従えば、検索エンジンは301リダイレクトと302リダイレクトのインデックスを次のように処理します。
- 301リダイレクト ―― リダイレクト先のURLをインデックス
- 302リダイレクト ―― リダイレクト元のURLをインデックス
「インデックス」は「検索結果に表示」と置き換えてもらって構いません。
ミューラー氏によれば、301であっても302であってもどちらでもGoogleはPageRankを渡すとのことです。
違いは、どちらをインデックスするか、言い換えれば検索結果に表示するかです。
通常は、301であればリダイレクト先を、302であればリダイレクト元をインデックスします。
しかしこれは絶対の決まりではなく、状況によっては302であってもリダイレクト先をインデックスすることがあります。
たとえば、URLの永久的な移動なのに302リダイレクトを使ってしまっていた場合です。
一時的な移動を意図するはずの302が相当の期間にわたって継続していれば、本当は永久的な移動なのではないかとGoogleは判断して、301扱いします。
すなわち、リダイレクト元ではなくリダイレクト先のURLを検索結果に表示します。
結果として、PageRankが渡ったように見えます。
302を、一時的な移転である本来の302として扱っている限りは転送元のURLが検索結果に表示されます。
PageRankは転送先のURLに渡っていないように見えるでしょう。
結局、301と302のどちらを使うべきなのか?
ミューラー氏は、301の代わりに302を使うことを決して推奨してはいません。
302であっても、Googleがそうすることが適切だと判断すれば、301のようにリダイレクト先のURLをインデックすると言っているに過ぎません。
適切だと判断する状況の1つには、サイト管理者が完全な移転なのに302リダイレクトを設定してしまっている場合があります。
この状況では、301扱いされたほうがサイト管理者にとってはありがたいはずです(本人は気付かないでしょうが)。
インデックスされ検索結果に表示されたURLにはPageRankがきちんと渡っています。
僕たちは、301と302の違いと使う場面を知っています。
URLの移転であればいままでどおり、301を使いましょう。
わざわざ302を使う必要はありません。
一方で、別々のURLを使うモバイル構成におけるデバイスの振り分けには301よりも302が推奨されていましたね。
気を付けるとしたら、302として扱ってほしいのにいつのまにか301として処理されてしまっている場合がありうるということでしょうか。