[レベル: 中級]
Google 検索においては、サイトの品質は数値で定量化できるものではありません。
品質スコアのようなものを Search Console で提供するという話がないわけではありませんが、さまざまな問題が生じるため実現する可能性は低そうです。
Search Console でサイト品質スコアの提供を検討したことも
ウェブサイトの品質というのは定量化できるものなのか? それとも複数のアルゴリズムがサイトをどのように見るかを決定するための用語にすぎないのか?
このような質問が英語版オフィスアワーで出ました。
Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は次のように回答します。
検索における品質というのは、広告で使っているかもしれない品質スコアのように定量化できるものではないと考える。サイトの品質を理解しようとするためのいくつものアルゴリズムを私たちは使っている。1 つの数値だけで表せるものではない。
品質の指標を Search Console で提供できないものかと検索品質チームと時おり話し合ったことがある。しかし、ものすごく面倒なことになりそうだ。
というのも、Search Console で提供するために別の指標を作ることはできるだろうが、それは検索で実際に使っている指標ではない。きっと誤解を招くだろう。かといって、実際に使っている品質指標とまったく同じものを見せたとしたら乱用のきっかけを与えてしまうだろう。それに、担当チームがその指標を内部で改善するのがとても大変になる。
バランスを取るのが非常に難しそうだ。
それでも、ひょっとしたらどこかの時点で品質の指標を Search Console で見られるようになるかもしれないが、わからない。
品質スコアの提供には多くの課題
Google 広告には「品質スコア」という指標があります。
文字どおり、広告の品質を表します。
スコアは 1~10 の数値です。
算出方法も公開されています。
オーガニック検索においてもサイトやコンテンツの品質を数値で表す同じような指標を入手できれば、品質が高いのか低いのかを客観的に判断できます。
ところが、そう一筋縄ではいかないようです。
理由は、ミューラー氏が説明したとおりです。
- 広告のような品質スコアという指標がそもそも存在しない
- 複数のアルゴリズムで品質を判断しているので、1 つの指標では表せない
- 公開用のスコアを作ったとしても、誤解を招きそう
- 本当の評価を見せたら乱用される
E-A-T スコアが存在しないのと同様に、品質にも特定のスコアがあるわけではないようです。
もちろん、アルゴリズムはコンピュータが処理するものなで数値で扱うでしょうが、人間が理解するような形式での数値ではないのでしょう。
「品質」とはむしろ、コンセプト、概念に近い使い方だと想像します。
公開用の品質スコアを別に作ったら誤解を招くというのは、ツールバー PageRank で歴史が証明しています。
Search Console で品質レポートが提供される可能性はゼロではないとしても、限りなくゼロに近いと僕は考えます。
品質がどの程度低いのか、どこに問題があるのかの手がかりが Search Console で手に入ると助かるのですが。