[対象: 上級]
Googleは、モバイル向けサイトを改善するために役立つチェックリストと動画を公開しました。
チェックリストの完全版を日本語に訳しました。
いずれ日本語版が出てくるかもしれませんが、早く知りたい人は参考にしてください。
なおチェックリスト中の参照先ページは、日本語ページがあるものは日本語ページヘ、ないものはそのまま英語のページへリンクしています(リンク先の日本語訳まではさすがに厳しい)。
ステップ1: ユーザーをいらいらさせないようにする
邪魔になる余分なウィンドウをすべてのモバイルユーザーエージェントから取り除く
- 閉じるのが難しいJavaScriptのポップアップ
- オーバーレイ。特に、アプリのダウンロードを勧めてくるもの(代わりとして、iOS 6以上の Smart App Bannersのようなバナーやそれに準ずるものや、サイドバーのナビゲーション、メールマーケティングなどを利用する)
- やりたいことが完了する前のアンケートへの回答依頼
デバイスに適した機能性を提供する
- ユーザーが使用しているデバイスでは利用できないプラグインや動画を必要とする機能を取り除く(例: AdobeのFlashはiPhoneやAndroidのバージョン 4.1以上では再生できない)
- タブレットユーザーにはPC版を提供する(もしくは利用可能ならタブレット版)[調査結果]
- モバイル端末からでも完全なPC体験を利用できるか確認しておく。ユーザーが選択した場合は、完全なPC版での表示をそのセッションの間はずっと保っておく(ページを表示するたびに「PC版」をユーザーに選択させてはいけない)[調査結果]
トラフィックが多く、ユーザーエクスペリエンスが悪いモバイル向けページを修正する
- 望ましくないあるいは想定外のユーザー行動が見られるページを特定する
- 改善を行う
- サイトの速度レポートを参照しながら遅いページを高速化する
- 重大なユーザビリティの問題を改善する
- ユーザーが嫌うことの原因を見つけるためにユーザーが使っているのと同じタイプの端末でページを利用してみる
- Chromeのデベロッパーツールでデバイスをエミュレートしてみる
- ユーザーのニーズを満たすようにコンテンツを改善する
[Googleアナリティクスの直帰率とイベントによって、ユーザーエクスペリエンスが悪い、トラフィックが多いモバイル向けページを素早く発見する方法とそのほかの問題を改善する方法を解説した動画とスライド]
手早くできるパフォーマンス改善(競合に遅れをとっているなら継続する)
[ケーススタディ]
- Googleアナリティクスのサイトの速度レポートの分析を使いながら、パフォーマンスが悪い、よく見られているページを見つける
- PageSpeed Insightsで提案される、赤色の感嘆符(!)が付いた重大な問題を修正する
- 画像を最適化する(たとえば切り取りや圧縮)– モバイルのウェブのデータの最大65%は画像から成っている [関連情報]
- 自分のサイトで人気のあるページとそれに相当する競合のサイトのページの表示およびレンダリングにかかる時間を比較し、さらなる速度改善に取り組むべきかの重要性を測る
[モバイルサイトのパフォーマンスを手早く修正する方法と競合との比較方法を解説する動画とスライド]
別URLのモバイル向けサイトを持っているなら追加のテストを行う
- 意図したとおりにリダイレクトが動いているかチェックする — 間違ったリダイレクトを引き起こす可能性がないかを知るためにウェブマスターツールのクロールエラーを参照する(鈴木補足: スマートフォン固有のクロールエラーを見られるようになりました)
- デバイスに関係するリダイレクトは301ではなく、302を使う(鈴木補足: 301でも302でもどちらでもよかったはずなのですが、調べてみます)
- モバイルユーザーのPC向けページへのアクセスが、対応するモバイル向けページへリダイレクトできているか確認する。404を返したりトップページへリダイレクトしてはいけない [ケーススタディ]
- リダイレクトの繰り返しを排除する
- 最終のURLに直接リダイレクトする
- 優先しないページがモバイル向けページに直接行くようにする
- 良くない構成:
http://example.com/page.html
がhttp://www.example.com/page.html
に302リダイレクトされその次にhttp://m.example.com/page.html
に302リダイレクトされ、200を返す - 良い構成:
http://example.com/page.html
がhttp://m.example.com/page.html
にリダイレクトされる(ユーザー側でキャッシュされるとなお良い)
- 良くない構成:
- 考慮の余地があるならレスポンシブ・ウェブデザインにサイトを変更したときのメリット・デメリットを検討する
ステップ2: タスクの完了を促進する
クロールとインデックス、検索ユーザー体験を最適化する
[ケーススタディ]
- robots.txtで拒否しているリソース(CSS、JavaScript)のブロックを解除する
- モバイル対応を前提として検索エンジンに向けたベストプラクティスを実行する(鈴木補足: 日本語ページにはそれぞれのセクションにidがふられていないため直接飛ばせません。自分で該当セクションへスクロールしてください)
- レスポンシブ・ウェブデザイン: 必ずCSSの@mediaクエリを含める
- 携帯端末用 URLの別設定:
rel=alternate media
とrel=canonical
のアノテーションを追加する。Vary: User-Agent
HTTPヘッダーを返すとリダイレクトスキップの手助けになる。 - 動的配信:
Vary: User-Agent
HTTPヘッダーを返す
自分のサイトに最も多いモバイルユーザーの動きに最適化する
- サイトに訪れるユーザーの意図を洞察する
- Googleアナリティクスのユーザーフローレポートを使って一般的なユーザーを決定する
- サイト内検索レポートを使ってサイト内で最も検索されている用語を調べる
- モバイルの検索クエリをウェブマスターツールで調査する
- 参加者を集めてユーザーテストを行う
- モバイルの指標を精練する
- よく起こるモバイルのタスクに基いてモバイル中心の指標(とマイクロコンバージョン)を作成する
- ユーザーの動きを改善する
- 各地点のユーザー体験を向上するために、ユーザーが使っているのと同じ端末を使って最も多いモバイルのタスクを通しでやってみる(タスク完了までの図表を作る)
- 適切なフォントサイズのようにユーザビリティのベストプラクティスに従う
- もっとも重要なタスクを完了するのに必要な動作(クリックの数やスクロール)を最小にする
ステップ3: ユーザーをファンに変える
モバイルアプリと検索を統合するタイミングを考慮する
クロスデバイス(デバイス横断)での動きを調査するまたは追跡しようとする
[ケーススタディ]
- 同一ユーザーが異なる端末でログインしているときの行動を分析する。特にコンバージョンに至るまでの過程
- デバイス間で続けて起こる、「カートに入れる」や「お気に入りに追加」の訪問・再訪問を調査する
価値を提供する新たなやり方をブレインストーミングして考えだす
- たとえば来店して購入する人のような、モバイルユーザーのためにサイトを作る [ケーススタディ]
- スマートフォンのGPSやカメラ、加速度計を有効活用する
- ソーシャルでの共有や行動を増やす [ケーススタディ]
- スワイプとシェイク、タップを直感的で楽しく操作できるようにする
以上です。
あなたが運用するサイトのモバイル対応に役立ててください。