LCPの対象となる画像がChrome 112で変更に。サイズに対してコンテンツが少ない画像はLCP対象から除外される

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Chrome 112 では、表示サイズに対して実質的なコンテンツが非常に少ない画像は LCP の対象として除外されるようになります。

コンテンツとして意味のある画像が LCP の対象

Google は、次のように今回の変更を説明しています。

これまで LCP では、CSS で実装された固定あるいはシンプルなグラデーションの背景と同様にフルスクリーンの背景画像は無視されていました。このヒューリスティックな仕組みは、コンテンツがなく、単に背景やほかのコンテンツのプレースホルダーとして機能するような画像を除外します。

今回の変更では、表示されるサイズに比べ画像のコンテンツが非常に少ない場合のような他の画像にもこのヒューリスティックを適用します。しきい値は現在、1 ピクセルあたり 0.05 ビットの画像データで、このしきい値を下回る画像は LCP の対象とはなりません。大きな単純な背景画像やビューポートオーバーレイ、また、遅延読み込み (Lazy-load) された画像に使用されることもある単純なプレースホルダーをこのしきい値はほとんどカバーすると予想しています。

そのページのコンテンツとして意味がない画像、たとえば背景画像だったりプレースホルダーとしての画像は、もっとも大きな要素だったとしても LCP の要素としてはカウントされませんでした。
さらに、画像全体に占める、コンテンツとして意味を成す部分が小さい場合にも現在は、LCP の対象から除外されます。

サイトへの影響

今回の変更によって、LCP が悪化するサイトと改善するサイトの両方が発生しえます。

除外の対象になる、コンテンツが少ない画像が良好な LCP を示していたけれど、代わりに LCP 対象になった要素の読み込みに時間がかかるとしたらLCP は悪化するでしょう。
反対に、代わりに LCP の対象となった要素の読み込みが以前よりも速ければ、LCP は良くなるでしょう。
📝すずき注: 代わりの LCP 要素は必ずしも画像とは限らず、テキストブロックかもしれない

Chrome 112 から、今回の変更が適用されています。
リリース スケジュールによれば、安定版 Chrome 112 は 2023 年 4 月 4 日にリリースされました。

影響があるとしたら、この日以降のレポートに反映されます。

サイトにアクセスするユーザーがすぐに Chrome をアップデートするとは限らないし、コア ウェブ バイタルのもとになる Chrome ユーザーエクスペリエンス レポートは一定期間の集計データです。
影響があったとしても、目に見える変化はすぐには起こらないでしょう。

今回の変更に該当しそうなサイトは、今後数か月の LCP の変化に注視しましょう。