有料リンクを購入したGoogle Chromeにウェブスパムチームがペナルティ制裁

[対象: 全員]

ChromeにペナルティGoogleは、自社が提供するブラウザ、Google Chromeのページに有料リンクを購入したとして、そのページに対して手動のペナルティを自ら与えました。

ことの成り行きをおおまかに説明すると次のようになります。

事情

  • Google Chromeのプロモーションを外部のマーケティング会社にGoogleが依頼した。
  • プロモーションの対象はChromeを紹介するビデオだった。
  • 依頼された会社がお金を払ってそのビデオを載せた記事をブロガーに書いてもらった。
  • 記事はChromeを紹介するだけの、どちらかというと質の低い記事だった。
  • スポンサー記事であることは明記されていた。
  • Chromeのページヘビデオからはリンクされていなかった。
  • ビデオプレーヤーもPageRankをGoogleへ渡していなかった。
  • 1本だけが、記事を書いたブロガーの意思によりリンクとして張られていた。
  • そのリンクにはnofollow属性は付けられておらずPageRankを渡していた。

ウェブスパムチームの対応

  • リンク先ページの www.google.com/chrome に手動ペナルティを与えた。
  • ペナルティは最低でも60日間は続く。
  • ペナルティによりツールバーのPageRankを下げた。
  • ペナルティを与えたページからの発リンクをGoogleは信用しない。
  • ガイドライン違反を修正し60日経過した後、Chromeチームは再審査リクエストを送ることができる。

マーケティング会社はリンクを張ることまでは指示していなかったものの、リンクを張る場合でもnofollowを付けることを徹底させていなかったようです。

お金を払って記事を書いてもらいその記事からPageRankが流れるリンクが張られていたことが、たった1本であってかつGoogleが意図していなかったことであったとしても、Googleが定める有料リンクを禁止するガイドラインに違反します。

結果として、Googleのウェブスパムチームは、例外扱いすることなく自身に対しても通常どおりのアクションを起こしたのでした。

ツールバーのPageRankを下げることが本当にペナルティになりえるのかという疑問は残りますが、ペナルティを与えられた直後に“browser”などのキーワードで対象ページのランキングが急下降したようです。

自らにペナルティを課したというと、Google Japanのペイ・パー・ポスト事件を思い出します。

身内であってもガイドライン違反はガイドライン違反として毅然とした態度を取る姿勢は評価できます。
とはいえ自分たちで決めたルールを身内が破るというのはいただけないことも事実ですけどね。

【参照】