[レベル: 中級]
ユーザーには見えるけれど、Googlebotには見えないインタースティシャルはクローキングとしてみなされるのでしょうか?
クローキングになる可能性はそう高くはなさそうです。
しかしユーザー体験を損ねる可能性は高そうです。
Googlebotには見えないインタースティシャルに対するGoogle ジョン・ミューラー氏の見解
GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏にTwitterで次のように質問したユーザーがいました。
Fetch as Googleの「取得してレンダリング」ではGooglebotには正常にページが見えています。でも、「訪問者にはこのページが以下のように表示されます」ではポップアップだけでコンテンツが表示されていません。これはクローキングにあたりそうでしょうか?
ミューラー氏はこのように返答します。
ひょっとしたらクローキングになるかもしれないし、単にひどいユーザー体験になるということだけかもしれない。
@Marie_Haynes Maybe. Or maybe just a terrible user experience :-(
— John Mueller (@JohnMu) 2016, 1月 20
クローキングになるともならないともミューラー氏は断言していません。
クローキングになる可能性がなくはないけれど可能性は低いかなくらいのニュアンスですかね。
一方で、クローキングにならなかったとしてもユーザー体験の点ではひどいので、やめたほうがいいと暗に示しています。
ユーザーに見えてGooglebotに見えないインタースティシャルの実例
質問したフォロワーのサイトに近い状況を、今の楽天市場で見ることができます。
スマートフォンでアクセスするとこうなります。
大きなインタースティシャルが表示され、閉じるためのアクションを起こさないかぎりは身動きが取れません。
ですが、モバイルフレンドリーテストにかけるとこうなります。
インタースティシャルはGooglebotには見えていません。
つまりユーザーにだけインタースティシャルを見せています。
ユーザーがアクセスしたときでもインタースティシャルの背後にページのコンテンツが薄っすらと見えてはいましたが、厳密に言えばユーザーとGooglebotが見ているものは異なります。
それでもクローキングとしてみなされることはないのでしょう。
ちなみに昨日まではGooglebotにもインタースティシャルが見えていたうえに、非モバイルフレンドリーになっていました(純粋なアプリインストールのインタースティシャルとは言えないのに、アプリインストールのインタースティシャルとして認識されている点にも注目したい)。
もしかして関係者が、このツイートを見て対応したのでしょうか?w
楽天はさておき、この記事の要点をまとめます。
- Googlebotには見えないインタースティシャルを設置してたとしても、クローキングとしてみなされる可能性は低そう
- しかしユーザー体験の視点からはインタースティシャルは好ましいとは言えない
楽天市場の非難記事ではない
最後に誤解がないように補足しておきます。
楽天市場の例を出しましたが、わかりやすいケースをたまたまタイミングよく見つけたからです。
楽天を非難する意図はまったくありません。
楽天のインタースティシャルは、閉じるための×マークや「閉じる」ラベルをすぐに見つけられるデザインになっています。
今後は表示しないようにするチェックボックスもあります。
こうしたことから、ユーザーへの配慮をこのインタースティシャルには感じることもできます(それでも個人的には、どんな形式であれインタースティシャルは好きではないことも事実ですが)。
また、僕は3年以上ダイヤモンド会員をキープしている楽天のヘビーユーザーであることも付け足しておきます。