不自然リンクの手動対策はSearch Consoleに出てくるリンクを削除すればいいが、ペンギンが問題視するリンクはレポートに出てこないこともある

[レベル: 中〜上級]

基本的に、不正なリンクに対する手動対策は、Search Consoleの外部リンクレポートに表示されるリンクを対象にして対応すれば解除してもらえます。
しかしペンギンアップデートのようなアルゴリズムは、Googleが認識しているすべてのリンクが対象になります。
Search Consoleでは、すべてのリンクがレポートされているとは限りません。

手動対策とアルゴリズムの違い

7月3日のウェブマスター向けオフィスアワーで、不自然リンクの手動対策の解除後も検索順位が復活しないサイトの管理者がGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏に質問しました。

不正なリンク構築を10年ほど続けてきて、2012年のペンギンアップデートにやられました。手動対策も与えられ、3年かけて不正なリンクを削除したり否認したりしてようやく1年半前に解除されました。

でもランキングが元に戻りません。

削除したリンクが上位表示に役立っていたからでしょうか?
アルゴリズムによる低評価はどのくらい継続するのでしょうか?

ミューラー氏は次のように説明しました。

手動対策とアルゴリズムの大きな違いは、手動対策は、Search Consoleで見えるリンクを本当に重視しているということだ。これをきれいにすれば、きちんと問題点を修正したとみなしてもらえる。

アルゴリズムは見つけたすべてを見ている。Search Consoleでは見えなリンクを含んでいるかもしれない。しきい値があってそれより低いのはレポートには出てこない。少数なら問題ないが、積み重なって全体として大量になると問題になることがある。

アルゴリズムは、以前に手動対策を受けていたことを根に持ったりしない(過去の手動対策がアルゴリズムによる評価に悪影響を与えることはない)。手動対策もアルゴリズムも、現在の状況だけを見ている。

アルゴリズムは時として多くのデータを必要とするので、手動対策よりも更新が頻繁でないことがありうる。

手動対策が解除されたからといって、すべてのアルゴリズムがそのサイトは完全に良くなったと判断することにはならない。手動対策は、手動(人間による目視)の視点からチェックしている。

しきい値というのは、Search Consoleでは関連すると判断しリンクの集まりだけを表示していること。認識しているリンクの完全なリストではない。ウェブマスターが興味を持つだろうと思うリンクだけを見せている。

サイトワイドで張られているリンクをすべて見せないかもしれないし、誰も訪問しないようなスパムサイトからのリンクをまったく見せないことも可能性としてはありうる。

重要ポイントまとめ

ミューラー氏の説明を簡潔にまとめます。

  • 手動対策で問題視される主要なリンクは、Search Consoleのリンクレポートに出てくるリンク
  • アルゴリズムは、発見したすべてのリンクを対象にする
  • “しきい値”に届かないリンクはSearch Consoleではレポートに出てこないことがある
  • しきい値とは、関連性があったりサイト管理者が興味を持つだろうとGoogleが考えるリンク
  • 過去に与えられた手動対策がアルゴリズムの評価に影響することはない、現在の状況で判断する

不自然リンクの手動対策においても、Search Console(旧ウェブマスターツール)のリンクレポートに出てこないリンクの削除が必要になることがあります。
ですが、リンクレポートに出ているリンクを精査し、問題を引き起こしていると思われるリンクの削除がまず真っ先にすべきことです。

ところが、“しきい値”に届かないリンクはSearch Consoleに現れません(しきい値の説明の部分はノイズが入り込んでいて完全には聞き取れませんでした)。
すべてのリンクがレポートされるとは限らないのです。
ペンギンアップデートのようなアルゴリズムは、Googleが認識しているすべてのリンクをもとに評価します。

問題があるリンクがレポートに出てこなかったとしても、その数が少なければ悪影響をもたらすことはないかもしれません。
しかし「塵も積もれば山となる」で、見えない問題リンクが大量にあるとアルゴリズムによる低評価を受け続ける可能性があります。

不自然リンク警告やペンギンの対処に深く関わっている人にとっては、「そうだろうね」と思わせる、さして新しい情報ではなかったかもしれません。
そうだとしても、Googleの人からの説明という点では重要な情報になります。

ペンギンアップデートからのリカバリには、サードパーティ製のリンクチェックツールも駆使しなければならなそうです。

P.S.
ところで次のペンギン更新はどうなってるんでしょう?

【UPDATE】
“手動対策もアルゴリズムも、現在の状況だけを見ている” というのは、次のようなことだと僕は解釈します。

今の状態でガイドライン違反かどうかを判断しているということです。
現状で問題がないのであれば、当然手動対策は解除されます。
過去の手動対策が、解除後もずっと尾を引く(何らかの処置を継続させられる)ということではありません。

違反を繰り返すと手動対策の処置が厳しくなることがあるということとは別問題です。
手動対策を与えるか与えないかの問題です。

アルゴリズムによるペナルティも同様です。