サブドメインとサブディレクトリをGoogleはどう扱うか? 新規サイトはどちらを使うべきか?

[対象: 初〜中級]

サブドメインで構成されたサイトとサブディレクトリで構成されたサイトに違いはあるのか?
Googleはどのように両者を見ているのか?

この質問にGoogleのMatt Cutt(マット・カッツ)氏が回答しました。

今日は訳すのはやめておいて(おととい昨日で疲れたw)、僕の言葉で要点をまとめます。

要件に合わせてどちらを使うか決める

自分が使っているシステムやビジネス形態に合わせて、使いやすい方を選びます。

CMSの構成が容易だったりDNSの設定が不要、ドメインの移動もいらない、などというようにサブディレクトリのほうが管理・運用しやすときにはサブディレクトリが適しています。

対して、今運用しているビジネスとは異なるまったく別のビジネスを始めるときはサブドメインでの運用が適しているかもしれません。

たとえば、僕が「お花屋さん」を始めるとします。
サイトは、www.suzukikenichi.com/flowers よりも flowers.suzukikenichi.com のほうがいいように思えます。

ドメイン直下のページ、www.suzukikenichi.com を訪れたら「花」とは無縁の「SEO」について書かれていて、一般ユーザーには何のことかまったくわからないでしょう。
「怪しい」とまで思われてしまうかもしれません。

検索結果表示での区別がなくなっている

数年前までは「ホストクラウディング(あるいはインデント結果、ダブルリスティング)」といって同一ドメインからは最大2つのページが同じ検索結果に表示されていました。

「海外SEO」
のダブルリスティング

同じドメインからは2つのページしか表示されないというデメリットがある一方で、サブドメインを作れば1人のサイト管理者が複数のサイトで検索結果を占領することも可能でした。

それにホストクラウディングは2つめの結果が1つめに引っ張られて本来の位置よりも上に上がり、クリック率が高い傾向にあるというメリットがありました。

こういった利点に目をつけられてホストクラウディングは乱用されていたようです。

乱用に対する対策や検索結果に多様性をもたせるという狙いもありホストクラウディングは現在はなくなっています。

サブドメインとサブディレクトリのページの検索結果表示に差異はほぼありません。

結論

結論を言いいます。

現在のGoogleはサブドメインとサブディレクトリをほぼ同等に扱っています。
したがってシステムの技術的な側面とビジネスにおける側面に照らして“自分にとって”適している方を使って構わないということになります。

どちらが良くてどちらが悪いということではありません。

ここで、いったん出した結論を覆すようですが、SEOだけに100%フォーカスした場合は、サブドメインよりもサブディレクトリのほうが有利かもしれません。

Matt Cutts氏がビデオの冒頭でも言っているように、「サブディレクトリかサブディレクトリか?」の質問は絶えずよく聞かれる質問です。

僕が2年半前に書いた「サブドメインとサブディレクトリ、SEOに強いのはどっち?」という記事は今でも検索トラフィックが多いページだし、ポツポツとではあるけれどはてブが絶えず増えて続けています。

ホストクラウディングに関連する部分以外は、この記事に書かれていることは今でも当てはまるはずです。

たとえば、

  • 検索結果の表示に違いはないといっても、評価という点で考えるとサブディレクトリはドメインに対して与えられている評価を受け取ることができる。
  • サブディレクトリのページは内部リンクでPageRankを渡してもらうことができるし、逆に内部リンクで他のページにPageRankを流すこともできる。

対してサブドメインは他のサブドメインの仲間であるようでいて、評価という点ではほぼ切り離されて独立した存在になっています。

最後にもう一度、僕の観点から「サブドメインか? サブディレクトリか?」を明確に結論付けます。

  1. システム構成やビジネス形態に合わせて利用しやすい方を使う
  2. SEOを考えた場合、サブディレクトリの方が有利な点が多い

ただし、1は2に優先します。

SEOばかりを考えて、運用が面倒になったりサイトのコンセプトがユーザーに誤って伝わってしまってはサイトを運営する本来の目的(たとえば収益を上げる)が達成できなくなる恐れがあります。

SEOは大切だけれど、だからといってSEOだけにしか意識を向けることのないように注意してください。

そのうえで、まったく問題がないのであれば新たにサイトを立ち上げるときはサブディレクトリを選ぶといいでしょう。