おなじみのGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏によるウェブマスター向けQ&Aビデオの解説です。
今回は次のような質問に対する回答です。
“メインのサイトに関連する「アドオン ドメイン」を複数運用したらGoogleからペナルティを受けるか? 同じIPアドレスで2個、5個、10個のサイトを運用するのはよくないことか?”
まず「アドオン ドメイン」について説明しておきます。
直訳すると「追加のドメイン」で、よくあるのがたとえば「mattcutt.com」を所有していたら「matt-cutts.com」(ハイフンが入っている)や「mattcutts.net」(.comではなくて.net)を取得するというケースです。
似たようなドメイン名のことですね。
ドメイン取得代行業者でありますよね。
「ごいっしょに suzukikenichi.info や suzukikenichi.biz もいかがですか?」とマ○クみたいに勧めてくるところが(笑)
「アドオン ドメイン」というのは、少なくとも日本では、あまり一般的な言葉ではない気がします。
以上を踏まえて、Matt Cutts氏の回答をまとめると以下のようになります。
- 別々のサイトを構築するよりは、matt-cutts.comやmattcutts.netをmattcutts.comに301リダイレクトしたほうがいい。理由は、同じサイトだと思う人が多いだろうから。
- ドメイン名の打ち間違いや別名を割り当てることを想定する場合は本サイトに301リダイレクトする。
- ドメイン名が違うし内容も違うなら別々のサイトにして、テンプレートや機能を変えて完全に独立した形で運用する。
ドメイン名が微妙に違うだけで見た目も中身もほぼ同じなら、301リダイレクトして、どのサイトにアクセスしてもメインとなる1つのサイトに束ねた方がいいということですね。
Matt Cutts氏は、301によるドメイン統合については以前にも説明しています。
続けて「複数のサイトを持つ場合、作為的だとして怪しまれずに済むにはいくつまでなら大丈夫か」という関連した質問に対して、次のように回答しています。
- 紳士服・婦人服・子供服のように関連しているけれど別々のサイトで多少違うブランディングをしている場合は、互いにリンクしあってもそれほど作為的には見えない。
- でもフッターに大量のリンクが貼ってあって、どのサイトも同じテンプレート・同じブランディングだし、キーワードを入れたドメイン名だけを詰め込んでるとしたら、それはよくない。
- 愛情を注いでないサイトを自動ツールで多数作るのはスパム行為
サイトをいくつも運用しているときは、検索エンジンだけを対象にしてフッターで互いにリンクしあうのはやめた方がいいということですね。
また、同じようなサイトを自動ツールで量産するのも禁止ということになります。
以上がビデオの内容になります。
おまけで続きがあります。
このビデオに関連してMatt Cuttsがユーザーとこのようなやり取りをしていました。
justicekragiel @mattcutts The “Addon Sites” video may miss the real Q: “If I have multiple unrelated sites under one hosting account, is that bad?” justicekragiel @Mattcutts I.E. I run several small sites for friends or small businesses, all via “addon sites” – will google ding ‘em coming from same IP? mattcutts @justicekragiel I typically wouldn’t hugely worry about that other than that Google can often discover the content two different domains. mattcutts @justicekragiel coming from the same IP would almost never cause a penalty. Unless (say) 26K porn sites + your one site on one IP.
— this quote was brought to you by quoteurl
「互いに関連性のない複数のサイトを同じIPアドレスの1つのサーバーで運用するのは危ないことか」という質問に対して、Matt Cutts氏は次のように返信しています。
“一般的に言って、それぞれのドメインで違うコンテンツを提供しているなら心配いらないだろう。同じIPアドレスで運用することでペナルティを受けるというのはまずありえない。26,000個のポルノサイトを自分と同じIPで運用しているとしたら話は別だけどね。”
共有サーバーか専用サーバーかという理由だけで検索順位が影響を受ることは、よほどのことがない限りありません(26,000個のスパムポルノサイトと同居していた1つの良いサイトが被害を受けたことが遠い過去にあったようです)。
独自IPアドレスだからといって検索エンジンが評価を高めることはないというのは以前から言われていることです。
もっともサーバーを共有している他のサイトがサーバーの動きを著しく低下させるような振る舞いをしているなんていうときは、間接的に被害をうけるかもしれませんけどね。
コスト面で問題がないなら専用に越したことはありませんが、「専用サーバー・独自IPアドレスはSEOに強い」というセールストークにはひっかからないようにしましょう。