[レベル: 中級]
構造化データを利用するときは、デベロッパーサイトのドキュメントに書かれているとおりのプロパティだけを記述したほうがいいのか? それとも schema.org で定義されているプロパティを追加してもいいのか?
一般のウェブマスターから寄せられた疑問に Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏が動画で回答する #AskGoogleWebmasters シリーズで、このような質問が取り上げられました。
リッチリザルト向けにはドキュメントどおり、追加プロパティは Google の理解に役立つ
ミューラー氏の回答を簡潔にまとめると次のようになります。
リッチリザルトを検索結果に表示する目的であれば、ドキュメントで提示されているプロパティを正確に記述する。ドキュメントに書かれていないプロパティは検索で直接使われることはないが、Google がコンテンツを理解する手助けになる。
リッチリザルトが対象ならドキュメントにあるプロパティだけ
構造化データを利用すると Google 検索で、検索結果の特別な機能や拡張機能を有効にできます。
リッチリザルトやカルーセルなどです。
こうした機能を対象にするのであれば、デベロッパーサイトの技術ドキュメントに指示されているプロパティだけで十分です。
もっと言えば、必須プロパティだけで構いません。
もっとも、推奨プロパティは追加の項目をリッチリザルトに表示できます。
たとえばレシピなら調理時間やカロリーの表示です。
それでも、技術ドキュメントに書かれている以外のプロパティが検索結果の表示に影響を与えることは通常はありません。
リッチリザルトを目的とするのであれば、技術ドキュメントにあるプロパティだけで十分です。
構造化データは Google のコンテンツ理解を手助けする
一方で、たとえドキュメントで言及されていなかったとしても構造化データ (schema.org) で定義されているタイプやプロパティは Google のコンテンツはもとよりエンティティの理解を手助けします。
schema.org のすべてのタイプとプロパティを Google はサポートしてます。
サイトやそのページにとって関連性が高い情報であれば可能な限り多くマークアップしたほうがいいとは、ミューラー氏の同僚のゲイリーもアドバイスしていました。
構造化データがあることが直接評価を高めることはありません。
言い換えれば、構造化データがあるからといってそれだけで順位は上がりません。
しかしながら、構造化データという機械が理解できる形式で情報が提供されていれば、クエリに対してより適切なページを Google は返すことができます。
「トランプ」という文字が記事に書かれていた場合、それが米国大統領である人間のドナルド・トランプ氏なのかそれとも商品として売られているカードゲームのトランプなのかを構造化データで明確に指定できます(ただしこのくらいであれば、構造化データなしで Google は容易に区別できますけどね)。
リッチリザルト以外で構造化データの効果を測ることは難しいのですが、ドキュメントに書かれていないプロパティも余力があれば実装するといいでしょう。
たとえば画像 (ImageObject
) であれば、必要なプロパティは URL (url
) だけです。
ですが、名前 (name
) や説明文 (description
) のプロパティを追加すれば、Google がその画像が何のがなのかを理解することに役立ちます。
競合よりも少しでも優位に立ちたいなら schema.org を参照してより多くのプロパティを追加することには意味があります。
おまけ
動画 (Video) の構造化データを実装している人にお知らせです。
interactionCount
プロパティではなく interactionStatistic
プロパティを使うように仕様が変更になりました。interactionCount
も引き続きサポートされるようですが、interactionStatistic
の使用が今後は推奨されます。
✒️Doc update✒️
For Video SD, Google is now recommending interactionStatistic instead of interactionCount. Google will still support interactionCount for now, but interactionStatistic should be used moving forward.https://t.co/Mrmt0kGy3o pic.twitter.com/3vB77CHnzZ
— Lizzi Harvey (@LizziHarvey) October 17, 2019
interactionCount
をマークアップしていたのであれば、できれば interactionStatistic
に置き換えたいところです。
少なくとも、新規の Video 構造化データでは interactionStatistic
を使うようにしてください。