Googleは大手サイトを検索で優遇している、個人サイトに勝ち目はない!?

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個人サイトはたとえ実体験に基づいた記事を書いても、大手サイトが作成した実体験に基づかない記事に Google 検索で勝つことはできないのでしょうか?

「大手サイトを Google は優遇している」という批判に Google はどのように反応したのでしょうか?

Google は独立系サイトを冷遇している

How Google is killing independent sites like ours」(私たちのような独立系サイトをどのように Google は葬り去っているか)というタイトルで、Google を批判する記事を HouseFresh が投稿しました。

HouseFresh は、空気汚染物質への対策方法として、ハウツーガイドや製品レビュー、実用的アドバイスを実際の調査にもとづいて提供する独立系メディアです。

記事の概要は次のとおりです。

Google の検索システムアップデートは、調査に基づいた製品レビューを提供する独立系サイトに悪影響を及ぼしている。その一方で、大手メディア企業による怪しげなおすすめ手法が上位表示されている。

Better Homes & Gardens や Real Simple、BuzzFeed、Popular Scienceなどのサイトは、ありきたりの「ベスト」リスト(オススメの○○)を量産し、同じような写真や情報を使いまわすことで検索結果の上位を占めている。一方で、自分たちの HouseFresh のような個人で運営された検証サイトは、膨大な時間と費用をかけて製品の徹底的な評価を行っているが、アフィリエイト収入の最大化に注力する株式投資ファンドがバックについた巨大メディア企業に押され、検索結果で上位表示できない。

根本的な問題は、 Google が、専門性と独自性、そして実際の検証を高品質で有益なコンテンツの基準とし、そうしたコンテンツを検索で優先しているると謳っているにも関わらず、大手メディアに対してはそのような基準を適用していないことだ。大手メディアは、レガシーブランドへの信頼を利用し、外部委託したコンテンツで製品の販売を促進している。その結果、消費者の本当に役立つ購入アドバイスを提供する、独立系検証サイトの存続が危ぶまれている。

大手メディア企業や株式投資ファンドが、実際のテストや調査ではなく、表面的で曖昧な情報やアフィリエイト収入だけを根拠にした「ベスト」製品リストによって Google の検索結果で上位に表示されていることを実例を示しながら HouseFresh は批判しているのです。
自分たちのような個人サイトは、根本的に太刀打ちできないような検索システムができあがっていると危惧しています。

Google の反応

House Fresh の批判記事に対して、Google SearchLiaison は X で次のようにコメントしました。

ご指摘ありがとうございます。投稿内容の緻密さ、示された懸念を踏まえ、深く考えさせられました。検索チームにも共有させていただき、大小さまざまなサイトがより公平に表示されるように改善したい旨を伝えました。

一点ご指摘いただきましたが、サイトに記載のコンテンツを「人為的にチェック」することについてです。そのような対応はしておりません。その記述は、スパムに関する処理に対して異議申し立てがあった場合に実施される人為的なレビューに関するものです。これは、自動化されたランキングシステムにおけるコンテンツ評価の仕組みとはまったく異なります。

また関連して、単に「綿密なテストを実施」「E-E-A-T チェックリストに従った」と主張するだけでは、ランキングが上位になる保証にはなりません。E-E-A-Tは、質の高いコンテンツを評価する仕組みと関連する考え方です。しかし、「検証しました」などと書かれたページを自動システムが見て、それだけで高評価にするものではありません。E-E-A-Tの概念は、ユーザーにとって有益なコンテンツの条件と関連しており、当社の自動システムはさまざまなシグナルを通じて、人々にとって役立つものを探して評価します。詳細は以下よりご確認ください:
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content#eat

再度、ご丁寧な投稿に感謝申し上げます。このような問題に関し、今後より良い結果をお届けできるよう努めてまいります。

SearchLiaison のコメントに対して記事執筆者は次のように返信します。

Google の E-E-A-T ガイドラインは、多くの人にとって単なるチェックリスト作業になってしまっています。その結果、実際に専門性と経験、権威性、信頼性を高めることよりも、ガイドラインを満たしているように見せることに重点が置かれてしまっています。

また現在、Google の検索結果には多様性が欠けており、コンテンツの質よりもブランド認知度によって大手サイトが上位を占めています。もちろん、ブログ記事一つでこういった根深い問題を解決することはできません。しかし、Google 自身が多様で質の高い検索結果の実現を目指すべきだという点に同意していることは心強く感じます。

SearchLiaison はこう答えました。

確かに、このページ(https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content)にある自己評価の質問を、ただのチェック項目として受け止めてしまう人が多いことに同意します。

これらは、ユーザーの役に立つコンテンツを提供しているかを広く考えさせるための問いであって、Google の評価基準を意味するものではありません。ページのさらなる改善は私の一番の優先事項であり、社内で要望を上げ続けています。残念ながら、ドキュメントの変更には時間がかかりますので、あと数週間から数か月お待ちいただくことになるかと思います。

最後に、「大手サイトと個人サイト」といった区別に対する懸念をいただき、私もこの点に留意しています。サイトの規模に関わらず優れたコンテンツが報われるべきです。ご指摘のとおり、この領域での改善に取り組んでいきます。

SearchLiaison は、検索結果の公平性に関する懸念を真摯に受け止めています。
大小さまざまなウェブサイトを検索結果に露出させることで、検索結果の多様性を向上させるように改善に継続的に取り組むと約束しています。

また関連するドキュメントの改善にも取り組んでいますが、その間にもユーザーは、この原則に沿ったコンテンツの作成を優先させるよう呼びかけています。

全般的に、大手サイトが検索で上位表示する傾向にあることは誰もが認める事実ではないでしょうか?

大手サイトであるというそれだけの理由で上位表示しているわけではないとしても、現在のランキングシステムがどうしても大手サイトを高く評価するようにできているように思います。
個人的のクリエイターが作成したコンテンツだけに絞った Perspectives はこうした実情を解決する手段のひとつです。

SearchLiaison は、個人サイトが上位表示できにくくなっている現実を認識しており、ドキュメントも含めて改善に取り組んでいると発言しています。
すぐの改善には期待できそうにありませんが、それでも期待したいところです。