ペナルティを解除できたあとでも、悪いサイトだとしての汚名が残り評判を下げられるのか?

[レベル: 初・中級]

ガイドラインに違反してペナルティを受けたもののきちんと対処して手動対策が解除されたあとでも、「このサイトは悪いサイトだ」というレッテルを貼られて評判が下がったままになるということはありえるのでしょうか?

12月1日に開かれた英語版のウェブマスター向けオフィスアワーで、参加者から出たこうした疑問にGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が答えました。

違反を解消すればそれで終わり、ただし稀な例外あり

次のような質問が事前に投稿されていました。

ペナルティを受けて回復したあとでも、汚名のレッテルがサイトに貼られたままということはありますか?

「面白い感じの質問だ」と印象を述べて、ミューラー氏はこのように回答します。

少なくとも手動の対策という観点から言えば、過去にスパム行為を働いていても、その悪い行いに対して報いを受け続けることはない。

ただし1つ例外がある。違反を繰り替えす場合だ。手動の対策を受けて問題を解消して、また別の手動対策を受けてまた解消して……、こんなことを繰り返して良いサイトと悪いサイトにコソコソと入れ替わっていれば、ウェブスパムチームは半年後には結局どうなるのか?と言って、様子をみるために待つかもしれない。

でもものすごく稀なケースだ。偶然に起きることではなく、悪意を持って繰り返しているに違いないと私たちが考える場合だ。

もう1つ言っておくことがあるとしたら、スパム的な悪い手法をアルゴリズムでも調べることがある。このような状況では、アルゴリズムが、問題を発見してその問題が解決されたと認識してすべてを処理するまでには、手動対策よりも長い時間がかかることもある。なので、悪い影響が残ったままだと感じてしまうことがあるかもしれない。これは、変更を認識するまでにやや長い時間がかかる品質アルゴリズムに特に当てはまる。

だが、手動の対策の観点では、違反を解消して再審査リクエストを送れば、それでもう問題はない。問題が解決されたあとでも、手動で評価を下げたままにしておくなんてことはしない。

手動の対策に関していえば、違反箇所が解決できていると再審査リクエストが認められればそこで完了です。
過去に違反を犯したことがその後も尾を引きずることはありません。

例外があるとしたらガイドライン違反を何度も何度も繰り返す場合です。
通常よりも慎重に再審査リクエストが処理されるかもしれません。

ガイドライン違反を繰り返すサイトに対しては、数か月前にウェブマスター向け公式ブログでも注意を喚起していましたね。

……ウェブマスター向けガイドライン違反を繰り返しているサイトは、再審査リクエストにおいて通常よりも厳しく審査する可能性があります。特に、悪意を持ってガイドライン違反を繰り返している場合、手動による対策において、更に厳しい対処を取る場合があります。

また、品質を評価するアルゴリズム (“quality algorithm” とミューラー氏は言っています)は処理を完了するまでに時間を要することがあります。
そのため、問題点を解決してもすぐには検索結果に反映されず、問題解決後も評判を下げられたままだと誤解してしまう可能性があるとのことでした。

“quality algorithm”が具体的にどのアルゴリズムを指すのかまではミューラー氏は触れていません。
パンダアップデートはもろ品質評価に関わるアルゴリズムです。
ミューラー氏が言う”quality algorithm”にパンダがもし含まれているとしたら、たしかにパンダは更新には非常に長い時間がかかりますね。

ということで、手動の対策に関しては、ガイドライン違反を解消したあとでも汚名のレッテルが貼られて評価を下げられたままということは一般的にはありません。
ですが、悪意を持って違反を繰り返した場合はその限りではありません。
もっともこれはごく稀な状況です。

アルゴリズムによっては、特に品質評価のアルゴリズムが関わってくると、問題を解決したのに評価が下がったままのように感じられることがあります。
しかしそれは処理の完了までに時間がかかることがあるためです。