ECサイトの品切れページはランキングに悪い影響を与えるのか?

[レベル: 中級]

EC サイトで品切れになった商品のページはランキングに悪い影響を与えるのでしょうか?

在庫状況はランキングに影響しない

あるサイト管理者が、Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏に次のように質問しました。

在庫状況は、EC サイトの商品ページのランキングに影響するのか? 欠品状態が 3 週間つづいたら 1 位だったページが 9 位になってしまった。

ミューラー氏の回答はこうです。

少なくとも通常の検索に対しては無関係に思える。ただし、ショッピング検索が品切れをどう扱うかは私にはわからない

品切れになっているかどうかはウェブ検索には影響しないようです。

他の商品のページには影響しない

ただしミューラー氏が意味しているのは、品切れになったページがほかのページに悪影響を与えることはないということなのかもしれません。

または、在庫数の状況もランキングには影響しないとも言っています。
在庫が豊富にあるからといって評価が上がることはありません。
ユーザーが欲しがっている商品がたとえ残り 1 個であっても販売しているなら、問題ないだろうということです。

欠品している商品ばかりを販売している EC サイトは品質が低いとも言えそうですが、そうとは Google はみなさないようです。

品切れページは別要因でランキングが下がる可能性あり

一方で、品切れページ自体のランキングがどうなるかに限定しては、ミューラー氏は触れていません。
売り切れた商品のページはランキングが下がったのを経験したというリプライも複数付いています。
品切れページ自体とその他のページには違いがあると言いつつも、他のページへの影響はないとしかコメントしていません。

そうは言えど、場合によっては、品切れ状態のページは検索に悪影響が出るケースが考えられます。

ソフト 404

「在庫なし」や「売り切れ」のメッセージを表示したり、「購入」ボタンがなかったり(グレーアウトしている)ページはソフト 404 としてみなされるかもしれません。
ソフト 404 は実質的には 404 として処理されるので、最終的には検索結果に出てこなくなります。

CTR 低下

商品リッチリザルトを検索結果で表示するために Product 構造化データでマークアップしていて、availability プロパティを追加しているサイトも注意したほうがよさそうです。
OutOfStock が値にセットされていると検索結果のリッチリザルトには「在庫なし」として表示されます。
購入できないことがわかっているなら、ユーザーはそのページをクリックしないかもしれません(僕はそれでもクリックすると思いますが)。

品切れはユーザー体験を低下させる

はっきりしない部分もありますが、品切れページが検索に与える影響をまとめると次のようになります。

  • 品切れ商品のページがそのほかのページに悪影響を与えることはない
  • 在庫状況(在庫数や在庫がある商品数)はランキングには関係しない
  • 品切れページ自体のランキングが下がるかどうかは不明
  • 品切れページは検索トラフィックに間接的に悪影響が出るかも

最後に強調したいのは、品切れページがランキングに影響するかどうかよりもユーザー体験にどのように影響するかです。

品切れ商品ばかりの EC サイトや、数か月も売り切れが続いている商品のページは確実にユーザー体験を低下させるでしょう。
そのサイトではショッピングしたくないとユーザーは判断しそうです。
このサイトはいつ行っても売り切ればかりだと悪い評判が広まるかもしれません。

ランキングが下がる以上にユーザーに嫌われる方が大問題です。

品切れ商品については、たとえば次のような対処が役立ちます。

  • 再入荷の見込み――あるのかないのか、ある場合はいつ頃か
  • 再入荷通知の登録――メールやプッシュ通知、SMS などで
  • 代替商品の紹介――商品切替えに伴う欠品なら新商品を