構造化データは検索エンジンLLMのコンテンツ理解に役立つのか?

[レベル: 中級]

構造化データは、検索エンジンの LLM がコンテンツを理解する手助けになるのでしょうか?

Bing 検索:構造化データは役にたつ(確定)

Microsoft が使用する LLM では構造化データはコンテンツ理解の役に立つようです。

3 月 18 〜 19 日に独ミュンヘンで開催された SMX Munich で Microsoft Bing のプリンシパル プロダクト マネージャの Fabrice Canel(ファブリス・カネル)氏がそのように発言したとのことです。

ファブリス・カネル氏は、ミュンヘンで開催された SMX での素晴らしいプレゼンテーションで、スキーママークアップが Microsoft の LLM によるコンテンツ理解に役立つことを認めた。

特に「新鮮な」コンテンツを生成 AI は重視しており、その一部の理由は、自らの LLM トレーニングデータの参照チェックに役立つためである。情報の公開または更新時には、IndexNow を利用して迅速に通知するといい。

Microsoft の LLM が ChatGPT が利用する LLM を含んでいるのかどうかは定かではありません。
ただ、ChatGPT は Bing のインデックスに大きく依存しているので、ChatGPT にも構造化データが影響しそうな気はします。

Google 検索:直接の役にたつことはなさそう

一方、Google 検索が使用する LLM に構造化データは影響するのでしょうか?

3 月 20 に米ニューヨークで開催された Search Central Live での関連情報をイベントに参加していた Lily Ray(リリー・レイ)氏がまとめています。

大規模言語モデル(LLM)の役割が拡大しているものの、構造化データの有用性を Google はあらためて強調した。スキーマは計算効率が良く、読み取りやすく、LLM が自力で抽出できる情報よりもはるかに正確である。

Google によれば、LLM の学習方法に構造化データが 直接影響を及ぼすとは限らないが、コンテンツの理解や分類においては今なお重要な役割を果たしている。特にニュース、ショッピング、動画の検索結果においては、依然として可視性を確保するための基礎的なツールとなっている。

要するに、ウェブサイトのコンテンツを Google に理解させるためにスキーマを使い続けることが推奨される。ただし、スキーマが LLM による可視性に直接的なメリットを与えるかどうかは、必ずしも明確ではない。

Bing とは異なり、Google 検索では構造化データが LLM に直接的な利点をもたらすことはなさそうです。
リッチリザルトのために、重要な技術として引き続き利用していくといったところでしょうか。

特に、ニュースとショッピング、動画では検索結果の表示に構造化データは大きく関わってきます。
マークアップは必須です。

それ以外のタイプのコンテンツでは「無理のない範囲」で、ですかね。
検索と同様に、LLM の理解の役にたつ可能性がゼロというわけではないので。