[レベル: 中級]
世界で最も大きいECサイトの1つ、eBayがAMP対応を始めました。
eBayは、モバイル体験の向上に今年は注力しており、さらなる向上のために、”高速”がウリのAMPを利用することになりました。
eBayのAMP化にはGoogleも力を貸しています。
商品一覧ページをAMP化
eBayがAMP化したのは、商品一覧ページです。
個別プロダクトの詳細ページではありません。
なぜなら、商品一覧ページは”見る”だけの静的なコンテンツで構成できるからです。
通常、詳細ページには「カートに追加」のようにユーザーによるアクションを伴う要素が含まれており現状のAMPには向きません。
「静的で、キャッシュで提供できる」コンテンツにAMPは向いているという、GoogleのRudy Galfiによる説明をSMXのセッションレポートとしておととい紹介しましたね。
また、商品一覧ページでは、サイドバーやカルーセル、ライトボックスといったAMPのコンポーネントを便利に利用できます。
こちらは、AMP化したeBayの商品一覧ページです(URLに amp が含まれている)。
AMP化したカメラ付きドローンの一覧ページです。
AMP化したプレイステーションの一覧ページです。
Googleが公開しているAMP CDNには、ドローン ページ、プレイステーション ページ共にきちんとキャッシュされています。
キャッシュから返されると、やはり速いです。
eBayでは現在、800万のページがAMP化を完了しているとのことです。
ECサイトAMP化の課題
eBayはECサイトとして先んじてAMP化したものの、解決すべき課題はまだまだ多いようです。
まず既存のインフラを構成しているコンポーネントとの調整に苦労したようです。
今後解決すべき課題としては、次のようなことを挙げています。
- 「カートに追加」やユーザー認証などのユーザーアクションへの対応
- サイト内検索やチェックボックスなどユーザーによる入力要素への対応
- 高度なアクセス解析
- A/Bテスト
またワシントン・ポストが実践したような、Service WorkerによるAMPページから通常ページヘシームレスにユーザーが移動できるようにすることも考えているとのことです。
検索結果のどこにいつ出てくる?
商品一覧ページといえど、ECサイトであるeBayがGoogleの協力のもとにAMP対応しました。
モバイル検索結果には、いつ頃、どのように表示されるのでしょうか?
これは関してはまったく不明です。
Googleが協力しているとはいえ、eBayが自分たちで始めた試験的な試みです。
どうなるかはわかりません。
うまくいけば、eBay以外のECサイトでの検証が始まるのかもしれません。
表示形態としては、トップニュースやレシピがそうであるように、「ショッピング」の専用カルーセルで表示されるのではないかと個人的に予想します。
いずれにしても、eBayのAMP対応が成功すれば、ECサイトにとっては嬉しいニュースになりますね。
新しい情報が入ったらブログでまたお伝えします。