訊かれると困る、SEO 8つの質問

以前GoogleのWebmaster Centralチームで働いていたVanessa Foxさんと、実力派のSEOコンサルティングファームHigh RankingsのCEOであるJill Whalenさんが、Webmaster Radio Showに出演しました。

Jill Whalenさんは、Vanessa Foxさんがこのプログラムで、SEOについてよくある質問の中に回答するときに、しばしば「一概には言えなくて状況による」という言葉から始めることに喚起されて、回答が「状況による」SEOの質問を8個、Search Engine Landで紹介しています。

解説します。
赤文字は僕のコメントです。

Q1. ウェブページにSEOを実行した後どのくらい早く、Googleは再インデックスしてくれますか?

状況による:そのサイトがどのくらい人気があるのか、Googleのスパイダーが通常どのくらいの頻度でやって来るのか、サイトがどのくらいの深さまで変更されたのか、などなど。
簡潔な回答:1週間から6ヶ月週間のどこか。

すぐに結果が出ると思ってる人って多いですよね。

Q2. SERPで10ページ順位が下がったら何をするべきでしょうか?

状況による:どのくらいの間、以前の順位だったか、競合の度合いがどのくらいか、サーチエンジンを欺くようなことを意図的に行っていないか、順位下落がどのくらい続いているか、などなど。
簡潔な回答:何もせずに、順位が戻ってくるかもしれないから2,3週間そのままにしておきなさい。たいていの場合、戻ってくるから。

順位が下がってもしばらくは何もしてはいけないのは、以前にも書きました。
『突然、順位が下がったらどうする?』

Q3. SEOってどの程度効果的なんですか?

状況による:誰がやるのか、その人の知識と技術のレベル、もちろんあなたがターゲットにするキーワードの種類も。
簡潔な回答:知識があって技術のあるSEOコンサルタントによって正しく成されたSEOが、ウェブサイトにターゲットとなるトラフィックを増やすことができる。だけど、ちょっとSEOをかじっただけの人がやったSEOは、たいしたことはない。

“えせ”SEOコンサルタントにだまされないように。

Q4.Titleタグは、ページのメインの見出しと正確に一致していなければなりませんか?

状況による:利用しているコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)が既定の設定でそうするのかどうか、変更するのは難しいのかどうか、titleとメインの見出しを別々に作るのにどのくらいの時間をかけなければいけないのか。
簡潔な回答:一般的には、titleタグと見出しは目的が異なるから、別々にしたいだろう。これが発生しないことを確実にするのが大変な仕事だとしても、titleや見出しで伝えることをいくらかでもコントロールできるのなら、SEOに関する限りはたいした問題ではない。

Hタグは本来の目的で使いましょう。
『Hタグ(見出しタグ)はどのくらいSEOに重要なのか』

Q5. キーワードが含まれるようにURLを変更するべきですか?

状況による:現在のURLがインデックスされていて検索で見つけられるかどうか、今現在サイトのリニューアルの最中かどうか、今のURLがどのくらい醜いのか、使用しているCMSでURL変更の実行がどのくらい簡単なのか、古いURLから新しいURLへ容易に301リダイレクトできるのかどうか。
簡潔な回答:WebサイトのリニューアルやCMSの変更でとにかくURLをすべて変えなければならないなら、絶対に検索結果で分かりやすく見える、きれいでキーワードに富んだURLにすること。だけど、見え方が気に入らないとかキーワードを加えなければいけないという理由以外に、今のURLに本当に悪い点がないなら、Webサイトの構成にそんな大きな変更をともなう言い争いに価値はない。

いったん決めたURLは、よほどのことがない限り変更しないほうがいいです。
適切に301をインプリメントしないと、それまでの被リンクやPageRankがすべてパァです。

Q6. いくつのキーワードをターゲットにするべきですか?

状況による:あなたの会社が提供しているものを探すのに、人々がサーチエンジンにいくつのキーワードを入力するか、サイトは何ページあるのか。
簡潔な回答:すべてが適切だったとしたら、通常は1ページにつき2から5個のキーワードをターゲットにできる。その数に、サイトで唯一で最適化できるページの数をかければ、潜在的にターゲットにできるキーワードがいくつあるか概算可能だ。

数に関する質問って答えづらいです。
「一気にリンク張り過ぎるとスパム判定を食らう危険があるそうですが、1日に何本ずつ付けたら安全ですか?」
既存の被リンク数にもよるし、サイトの運用暦にもよるし、今日100本リンクを張ったとしても、明日すべてがクローラに発見されるわけではなくて、あさって、1週間後、1ヵ月後かもしれない。

Q7. ブログをサブディレクトリ、サブドメイン、独自ドメインのどれに配置すべきですか?

状況による:メインサイトの一部としてブログを位置づけたいのか、それとも独自の存在として位置づけたいのか。ユーザーに簡単にURLを覚えてほしいのか。
簡潔な回答:サブディレクトリかサブドメインかは、たいした違いを生まない。とはいえ、サブディレクトリよりもサブドメインのほうが、メインドメインが出現するのと同時に検索結果に出現できるチャンスが多いかもしれない。一方、普通の人は直接サイトにアクセスしようとするときにサブドメインを打ち込もうとは考えないし、blog.yourdomain.comよりもyourdomain.com/blogのように記憶していそうだ。SEO目的では、どちらも本当には問題にならなくて、ビジネスやブランドの決定による。

SEOmozのRandfish氏は、SEO目的ならサブディレクトリでの運用を推奨してましたね。
『サブドメインとサブディレクトリ、SEOに強いのはどっち?』

Q8. ページには何語あるべきですか?
状況による:伝えたいことを伝えるのに、いくつの単語が必要か
簡潔な回答:SEO対象なら、1ページに何語あるべきかという決まった数字はない。

単語の数とかキーワード密度とかにこだわるのは、もうやめてほしいです。
『SEOにはキーワード出現率なんて効果なし』
『キーワード密度はSEOで考えるべきか? ? SEOエキスパートに聞いてみた』

SEOは、サイトの状況によって「○○だ」と断言できず、訊かれても答に困る質問が多くあります。
あるサイトでこうだったからといって、別のサイトでもそうなるとは限らないのです。

P.S.
清音さんが、まったく同じソースの解説記事をすでに投稿していました。
不足分を補うためにも、こちらもお読みください。
『SEOをある程度勉強して、初級から中級になりかけた頃に知りたくなる8つのQ&A』