この記事では、Searcn Engine Landが公開したインタビュー記事を取り上げます。
インタビューの相手は、Microsoftで以前働き、在籍していた後半はBingの運営にも関わっていたRamez Naam氏です。
GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏もおすすめの、非常に学ぶことが多い内容になっています。
Great insights on search by @ramez, a former Bing person: http://t.co/juYvLF9I3t
P.S. His novels are great too: http://t.co/whBDU153rU
— Matt Cutts (@mattcutts) 2014, 7月 3
ポイントをまとめた抄訳で紹介します。
検索はどこに向かっているか?
モバイルが主役になる。
PCも存続するが、より多くの時間を人々はモバイルで費やすようになる。
モバイルによく対応し上位表示できていたとしても、ユーザーときちんと交流できていなければ失敗する。
自然言語による音声検索への取り組みが続く。
だが、モバイルの発展とは違って進行速度は非常にゆっくり。
音声での検索を利用しない人が依然として多い。
音声検索を強要したいとも検索エンジンは思っていない。
構造化データの利用する人が増えている(Microsoftも利用をもっと進めている)。
たとえば映画の名前で検索すると、他のサイトから取ってきた情報をGoogleは検索結果の上部に表示する。
これは、Googleが構造化データをより多く使うようになってきた証拠だ。
Googleは、ウェブからデータをかき集め体系化すると言っている。
検索エンジンがより適切に理解し検索での露出を高められるように、キーワードや自然言語といったものだけではなく、大量のデータを実際に提供することが将来は重要になる。
構造化データを多く提供しすぎると、Googleが答えを検索結果に表示してしまいサイトへの検索トラフィックが減ってしまう危険性がないだろうか?
そういった危険性はある。
でも心配しなくていい理由もある。
1つには、商用目的のコンテンツのSEOに重点的に取り組むことが一般的で、対応策があるはずだからだ。
[鈴木メモ] Googleが検索結果に回答を提示するのは、「情報収集型」のクエリがほとんどだからということだと思います。たとえば、天気予報のワンボックスだったり、人や場所などのモノゴトを説明するナレッジグラフです。
もう1つは、もっと詳細な回答を人々は求めることが多いことだ。
Googleはその情報がどこから来ているかを示している。Googleがプロモーションしてくれているようなものだ。
検索結果での短い説明だけで満足するなら、ユーザーはどのみちサイトにはやって来ない。
的確なコンテンツがあればユーザーは依然として訪問する。
ランキング要因として、「新しさ・最新さ(Fressness)」はどのくらい重要か?
Facebook や Twitter は Google と Bing の両方にとって、すでに重要なシグナルになっている。
「コンテンツを作り、キーワードを入れ、リンクを獲得する」といったことではなく、「どうやってツイートしてもらうか」、「どうやってFacebookやGoogle+で共有してもらうか」を考えなければならない。
一般的なアルゴリズムにとってそれが重要なシグナルだからだ。
ソーシャルメディアでの共有は「新しさ」を判断する上でも非常に重要。
最初の2日間で上位表示するチケットのようなものだ。
音声認識と自然言語の進歩はどういったところに見られるか?
音声認識と自然言語は別もの。
音声(での検索)は、自然言語でなくても使われる。
たとえば、“ラスベガス ホテル”を声で検索できる。
一方で、文字入力する自然言語もある。
たとえば、“1晩200ドル以下の中心地にあるラスベガスのホテル”だ。
こうした自然言語の長い検索がじわじわ入り込んできている。
5年前はひどかったが、今はだんだんときちんとした結果を返せるようになってきた。
「この2つの単語が合わさってあることを意味して、この2つの言葉が合わさってあることを意味する……」、こういうことが理解できるようになってきた。
主要な業界・ジャンルで気をつけるべきことは何か?
他のサイトと同じコンテンツがあるならどんなジャンルでも、検索結果で問題を抱える。
どうにかして他と差別化しなければならない。
特別な存在になり、ユーザーと検索エンジンに対して際立つ存在にならなければならない。
ニュースサイトだったらたとえば次のようなことだ。
- 独自に作成した記事コンテンツ
- オリジナルの写真
- そのニュースについて最初にレポートする人になる
最初にその情報を発信すれば、ソーシャルメディアで共有され存在感を示し、検索結果で上位表示することもできる。
ECサイトでも同じようなことが言える。
- 独自のコンテンツ
- ユーザーが投稿したレビュー
- オリジナルの写真
- ユーザーが投稿した商品写真
- ソーシャルメディアでの存在感
こういったことが求められる。
ユーザーとのエンゲージメントし自分(と自分のサイト)について話してもらえれば、検索順位が自然と上昇し、きっとソーシャルメディアでも共有してもらえる。
始めたばかりの小さなビジネスが、AdWordsやFacebookからなどあらゆるトラフィックに予算を使うのは難しい。
幅広いテーマではなく、ニッチなテーマを対象にすればいい。
自分を無二の存在にさせる、個性・態度・深い見識をもって熱心に指導すればいい。
他の誰にも提供できないことを提供する。
そうすれば、クチコミ(現代ならソーシャルメディア)で良い評判が広まる。
TwitterやFacebookで共有されれば、GoogleやBingでのランキングも上がる。
シアトルに住む友人がワインのネットショップを開いた。
ワインのオンラインショップは競争が激しいジャンルだ。
しかし、彼女はユニークでクール、役に立つコンテンツを作った。
それが地元紙に取り上げられ、ものすごい数のアクセスを産み、さらにそこからソーシャルでの共有も産み、山のような新しいアクセスにつながった。
ここからいえることは、ほんとうに必要なのは「ユニークなコンテンツ」と「他の誰もが持っていない価値」だ。
これがあれば、ユーザーの注目を浴び、必然的にフォロワーが増える。
以上です。
示唆に富んだ未来予測がたくさんあったはずです。
僕たちのこれからのSEOに活かしましょう。