Googleは、コンテンツファームに代表されるような低品質のサイトが検索結果に出にくくするためのアルゴリズム変更を実施しました。
通称、ファーマー・アップデートです。
ファーマー・アップデートは今のところ、米Google(Google.com)だけでの導入になります(早合点している人がいるようですが、日本のGoogleには導入されていません)。
米Googleではどのようなインパクトが発生しているのでしょうか?
公式発表の1日前から大きな変動にいち早く気づいて、すでにディスカッションが展開していたWebmasterWorldのスレッドを中心にあちらで起こっている状況をレポートします。
結果から言うと、それはもうエラいことになっているようです。
いちばん多いのが30〜40%のトラフィックが減少したという報告です。
Same here out biggest site just lost 30% of its traffic starting last night,
About 25-30% of Google traffic lost overnight as well.
At least a 40% drop
My long tail traffic is now down by 30-35%
we are looking at a 30-40% drop in traffic overnight
My site is down about 40% today.
My google traffic has also dropped by 20-30%
My traffic is down by 40% on all my sites…
I lost 50% of traffic today
I just lost 40% of my traffic from Google today.
なかには、60%もアクセスが減ったというサイト管理者もいます。
Drop of 60% in rankings here.
60% traffic drop overnight.
ランキングが上がったという報告は多少あります。
でもこれは上がった人がコメントを書き込む割り合いが少ないだけかもしれません。
影響を受けたサイトのタイプはさまざまです。
ECサイトもあるし、フォーラムもあるし、UGC系のサイトもあるし、情報提供系のサイトもあるし、ブログもあるし、特定の種類のジャンルに偏っていません。
キーワードもメジャーなキーワードからロングテールにいたるまで多様です。
2年くらいの歴史のそれほど長くないサイトから、10年以上不動の上位表示を続けてきた確立したサイトまでダメージを受けています。
サイト全体で被害を受けているサイトもあるし、ページ単位で被害を受けているサイトもあります。
バックリンク評価だ、アンカーテキストの分散だ、オーソリティだ、リンクエイジだ、キーワード密度だ、といろいろな分析が出ていますが、すべてのスレッドを読んだかぎりではそういう一言で片付けられるようなアルゴリズムの変更ではない気がします。
既存のアルゴリズムをいじったというよりも、新しいアルゴリズムが追加されたような印象を受けます。
これまで見ていなかった要因を取り入れるようなアルゴリズムですね。
コンテンツの質が高いか低いかなんていうのは、サイトの歴史やアンカーテキストだけでは判断できませんよね。
バックリンクは関係があったとしても、やっぱりそれだけでは評価は難しいはずです。
本当にコンテンツに何が書いてあるのかが、それこそ人間のように理解できるようになったのかもしれません。
たとえ不完全で発展途上にあったとしても、今までとは別の仕組みが動いていると考えたほうが自然な大きくかつバラエティに飛んだランキングの動きです。
大規模なアルゴリズム変動にはつきものの誤判断も起こっているようで、完全にオリジナルコンテンツで評価の高いサイト(自己申告ですが)が検索結果から消えて、コピーサイトが上位に上がってきたという声もあるにはあります。
Sistrixというサイトがファーマー・アップデートで検索結果から姿を消したサイトを調査してデータを公表しています。
スコアを大きく落としたサイトにはコンテンツファームとみなされていたサイトも含まれています。
反対にコンテンツファームと思われているのに影響を受けていないサイトもあるようです。
ただこういった調査データに対してMatt Cutts氏は、検索する場所によって結果は変わってくるし、ユーザーによって検索は違うのだから、調査対象によって結果が歪められることがあると釘を刺しています。
http://www.sistrix.com/blog/985-google-farmer-update-quest-f… and http://searchengineland.com/who-lost-in-googles-farmer-algor… are other links I’ve seen. Bear in mind that much of this third-party analysis compares e.g. US queries vs. queries against Google from Canada, Italy, or India, and geolocation can change the results. Also, different people are running different sets of queries and that subsampling can skew things depending on the query sets. Please bear those disclaimers in mind with any third-party analysis.
また今後も改良は続けていくともコメントしています。
broadly speaking, anything I mentioned in my blog post a few weeks ago at http://googleblog.blogspot.com/2011/01/google-search-and-sea… is still open for improvement. The topics of that post included scrapers/copiers, spam, and low-quality sites.
つまりこれで終わりではないということですね。
第二波、第三波が来るかもしれないし、沈静化に向かうかもしれません。
しばらくは注意深く情勢を観察しなければならないでしょう。
さてさて、ここまでは脅してしまったようでゴメンなさい。
僕たちの最大の関心事は、ファーマー・アップデートが日本にもやってくるのか、やってくるとしたらそれはいつなのか、ですよね。
分かりません。
英国や豪州など同じ英語を使っている国への導入は簡単でしょう。
フランス語やドイツ語など英語に近い言語への導入もさほど難しくないかもしれません。
でも言語構造が大きく違う日本語への導入はどうなんでしょうか?
素人目にはすんなり移植できるようには思えないのですが。
でも日本語の検索結果にはコンテンツファームがのさばっていても構わないと放置しておくとも思えません。
Matt Cutts氏に来週会えると思うので、頑張って聞いてきます。w
僕たちが今できることは何もありません。
何もないというか、今までどおり質の高いコンテンツ作成に力を注いでいくだけです。
自信を持って作ったコンテンツが評価されるか、コンテンツファームとしてみなされてしまうかはGoogleのみぞ知るです。
ただし少なくとも「質の高いコンテンツです」と自分で胸をはって言えるようなコンテンツを作成しましょう。
あとは期待と不安を抱きながら、来たるべき日を待つほかありません。
そしてその日にはファーマー・アップデートの恩恵を受けて自分のサイトのトラフィックが増すことを祈りましょう。
ついでにくずコンテンツしか作れないSEO業者のサイトが消滅することも願いつつ。w