[レベル: 中級]
Google検索では、ウェブページの結果とは別に検索結果の上部にそのクエリに対する答えを表示する機能があります。
SEOの世界では、Answer Box(アンサーボックス)やDirect Answer(ダイレクトアンサー)と呼ばれています。
かつては、Onebox(ワンボックス)と呼ばれていた時期もありました。
GoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏が正式名称をTwitterで説明してくれたので、この記事で紹介します。
@jenstar *panels. Knowledge Panels. Knowledge Graph is the infrastructure feeding the data to kp. I should fix this mess :)
— Gary Illyes (@methode) 2015, 6月 8
アンサーボックスには、少なくとも3つのタイプがあるようです。
- Featured Snippets
- Knowledge Cards
- Live Results
具体例とともに順に解説します。
Featured Snippets
Featured Snippets(フィーチャー・スニペット、フィーチャード・スニペット)は、あるサイトに書かれているテキストを引用してそのクエリの答えを説明する枠です。
米Google (google.com)では、カクテルの作り方や歌詞のFeatured Snippetsなんていうのもあります。
ちなみに、引用の参照元があるときとないときがあります。
【UPDATE】日本語では「強調スニペット」と呼びます。ヘルプ記事が公開されています。
Quotes Snippets
米Googleで新たなFeatured Snippetsが登場しています。
著名人の名言・格言を表示するFeatured Snippetsです。
こちらは「abraham lincoln quotes」(エイブラハム・リンカーンの名言)のクエリで出てくるFeatured Snippetsです。
リンカーン第16代アメリカ合衆国大統領が残した名言が列挙されます。
ウェブ上のサイトからGoogleがかき集めてきたのでしょう。
日本人もわずかですが対象になっていました。
村上春樹氏の名言です。
スマートフォンからモバイル検索してみました。
「引用元がない」という指摘があるようです。
ですが名言や格言は特定の人(サイト)の著作物ではないしたくさんのサイトに書かれているでしょうから、引用元がなくてもぜんぜん問題ないだろうと僕は思います。
Knowledge Cards
次は、Knowledge Cards(ナレッジ・カード)です。
Knowledge Cardsは、Knowledge Graph(ナレッジグラフ)をもとに作成されます。
こちらは安倍晋三首相の奥さまを回答するKnowledge Cardsです。
アボカドのカロリーを答えるKnowledge Cardsです。
ナレッジグラフには、10億以上のエンティティに対するさまざまな情報が格納されています。
ここから、クエリに対する回答を引っ張ってきています。
ちなみにナレッジグラフはエンティティ情報を格納するインフラのことを指し、検索結果に表示される領域のことを「Knowledge Panels(ナレッジパネル)」と呼ぶとのことです。
Live Results
最後はLive Results(ライブ・リザルト)です。
現在の情報を提示します。
プロ野球の直近の試合結果(と次の試合予定)も教えてくれます。
モバイル結果を例に挙げていますが、PCからの検索でももちろん表示されます(「ジャイアンツかった」は「ジャイアンツ勝った?」のつもりで音声検索したのだけれど、意味は理解しているものの漢字にはならなかった)。
Featured Snippets も Knowledge Cards も Live Results も、サイトへのアクセスを奪うものとしてSEOの敵だという声もあります。
でも検索ユーザーの立場から考えるととても便利な機能ですよね。
スクロールもクリック(タップ)もしなくても、すぐに知りたい情報が見つかります。
もっとも一般の検索ユーザーとして利用するぶんには、それぞれの名称を知っておく必要はまったくありません。
ですが、SEOに関わる立場から記録としてこの記事に残しておきました。