クロール頻度を上げてもランキングは上がらない

[レベル: 初級]

たくさんクロールさせても、そのページの評価が上がることはないし検索順位は上がりません。
また、サイトマップの <priority> タグをクロールの重要度を示す要素としてはGoogleはほとんど利用しません。

Googleのジョン・ミューラー氏による説明

6月30日に開催された英語版のウェブマスター向けオフィスアワーでクロールについてのやりとりがありました。

GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏に参加者の1人が次のように質問します。

50,000ページ以上ある大規模サイトのクロールバジェットをどうやったら増やすことができますか?

現状では、重要なのに定期的にクロールされていないページがあることに気付いています。
サイトマップでは、毎日クロールされるように重要度付けしています。

何かアドバイスはありますか?

ミューラー氏は次のように回答します。

まず、クロールすることが、ページが重要だと私たちが考えるということにはならない。
だから(クロールしたからといって)ランキングが上がることにはならない。

頻繁に更新しないページなのにクロールされるべきだと考えるのは意味がないだろう。
1回1回のクロールで新しいものを発見しなかったら、そういったページのクロール頻度を下げ始めるかもしれない。

それに、サイトマップの Priority はクローリングのためにはほとんど利用しない。
私たちに知ってほしい特定の変更があるのなら、サイトマップの Lastmod を使う。

付け加えておくこととして、大規模なサイトをクロールしてサーバーの速度が遅くなっていることに気付いたら、1回あたりにクロールするページの数を減らすように制限をかけることがある。

クロールさせることは評価を上げることには繋がらない

頻繁にクロールさせたからといって、そのページの評価が上がることにはなりません。

Googleが重要だとみなすページはクロール頻度が高い傾向にあるのは確かなことです(何を持って重要だとみなすかにはさまざまな要素が関わってきます。たとえば、PageRankはクロール頻度に関わる要素の1つです)。
でもそれは、重要視しているからクロール頻度が高いのであって、クロール頻度を高めれば重要視されるということではありません。

相関関係と因果関係を取り違えないように注意しましょう。

サイトマップの Priority は利用されない

サイトマップ(ここでいうサイトマップはもちろん検索エンジンに対してのサイトマップです)では、<priority> タグを記述できます。
<priority> タグでは、そのURLのクロールの優先度を相対値で指定します。

しかしGoogleはPriorityの値を、まったくではないにせよほとんど利用しません。
ましてランキングに影響を与えることもありません。

ヘルプ記事にもこのように書かれています。

なお、このタグが Google 検索結果におけるサイトの掲載順位に影響することはありません。優先順位の値は、サイト内の他のページとの相対的な関係においてのみ考慮されるため、高い優先順位を割り当てた(またはすべての URL に同じ優先順位を割り当てた)場合でも、それによってサイト全体の掲載順位が上がるわけではありません。

コンテンツを更新して優先的にクロールしてほしいのであれば、<lastmod> タグを記述します。
最新の日付が付いたURLから優先してGooglebotはクロールします。

まとめ

たとえば次のような施策でクローラビリティを高めるのは良いことです。

  • 内部リンクを適切に構成する
  • 重複コンテンツを減らす
  • サーバーの応答速度を上げる

PageRankが渡ります。
無駄なクロールがなくなります。
クロールするページ数が制限されることを抑制できます。

結果として、新しいページや更新したページをすばやくクロールしてもらえます。
検索結果での表示に役立つこともあるでしょう。

ですが、だからといって何の変化もないページを無理やりにクロールさせても検索エンジンの評価は高まりません。