[対象: 中〜上級]
アクセス解析イニシアチブ (a2i) が7月19日に開催した「新任ウェブ担当者のためのスマートフォンセミナー」に参加してきました。
4つのセッションがあり、そのなかの1つはGoogleアナリティクス ソリューション コンサルタントの大内範行氏によるGoogleアナリティクスのモバイル解析がテーマでした(ここでいう「モバイル」は「スマートフォン」です)。
Googleアナリティクスのモバイル解析についてよくある質問のパートがありその部分をブログ読者のみなさんと共有します。
なお公開にあたっては a2i の許可を得ています(ありがとうございます)。
Q1. アクセス解析から見てモバイルサイトのドメインはデスクトップと同じがいいのか、それとも別の方がいいのか。
A1. 同一ドメインまたはサブドメインがいい。別ドメインは推奨しない。
同一ドメインの場合は、デスクトップと同じURLかスマホサイト用にサブディレクトリを作って別URLにする2つの選択肢があります。
Googleの推奨はレスポンシブ・ウェブデザインです。英語版 Analytics 公式ブログも推奨しています。したがっていちばんのお勧めは同一URLでの提供です。PCの同一コンテンツとの比較などもできるので、解析としてもこの構成がお勧めとのことでした。ただあくまで推奨なので現在すでに解析している構成を変えてまで変更する必要はありません。
ドメインが完全に異なる構成はさまざまな理由からおすすめできません。
Q2. 同じユーザーがデスクトップとスマートフォンからアクセスした場合関連付けることはできるか。
A2. 現状ではできない。
要望はあるけれど今の時点ではそういう仕組みはありません。
Q3. タブレットからのトラフィックをセグメントできるか。
A3. タブレットからのアクセスは現時点では「モバイル」にまとめられていて区別ができない。これは要望も多く、近いうちに分けられるようにしたい。
タブレットだけで切り分けられるようになりそうです。
Q4. イベントのオンクリック (onclick) をSafariで計測できるか。
A4. 外部リンクの計測やクリックの計測はイベントトラッキングでの計測を推奨。
バーチャルページビューを測定するようなonclickイベントはSafariでは取りこぼしが多いようです。Chromeも取れないときがあるそうです。イベントトラッキングで目的を達成できるものはイベントトラッキングを使ったほうがよさそうです。
Q5. 「デバイス」レポートで「(not set)」が出てくるのはなぜ?
A5. ブラウザのユーザーエージェント(UA)を識別できないから。
識別できないというのは、いろいろなスマホ用ブラウザが新たに次々と登場してGA側のデータのアップデートが追いつかなからだそうです。
Q6. サイトの速度はスマートフォンでも計測対象になるか。
A6. ブラウザに依存する。
サイトの速度の計測に使われるHTML5の仕様をサポートしているブラウザであれば対象になります。Googleアナリティクスの問題ではなくユーザーが使うブラウザの問題です。
Q7. モバイル端末からのトラフィックであることをどうやって判別しているのか。
A7. ユーザーエージェントで判別している。
だそうです。
ユーザーが住む地域やサイトのジャンルにも依存しますが、スマホからのアクセスが予想をはるかに上回るスピードで伸びているデータも別の講師からセミナーでは示してもらえました。
スマートフォンに絞ったアクセス解析が今後重要になってくることは間違いありません。
早め早めに準備しておきたいものです。