[レベル: 上級]
視覚的な要素とともに旅行プランをたてられるように Google は AI Overview を機能拡張しました。
写真、地図、レビューを交えて旅程作成する AIO
こちらは [create an itinerary for Kyoto with a focus on historical sites](京都の史跡巡りを中心とした旅程を作成してください)のクエリで AI Overview が作成した旅程です。

5日間の旅程を作成しています。
テキストだけではなく、次の視覚コンテンツを加えています。
- 写真
- レビュー
- 地図
トップに掲載されている大きな写真は、それぞれの日に訪れる史跡の場所をカルーセルで切り替えられます。
このように、文字情報だけではなく視覚的な情報も交えた旅行計画を AI Overview が作成してくれます。
必要に応じて修正を加えたら、「Export」ボタンから、Google ドキュメントや Gmail でおすすめを共有したり外出先でアクセスできるように Google マップにカスタムリストとして保存したりできます。
最初のキャプチャを見て気づいた人がいるかもしれませんが、関連ウェブページには日本語サイトが並んでいます。
旅程計画をサポートする AI Overview は米国の英語検索で導入されました(PC 検索とモバイル検索の両方で利用可能)。
キャプチャには写っていませんが、AI Overview の下のオーガニック検索結果はすべて英語ページです。
言語にとらわれずに AI Overview が関連コンテンツを提供するというのは興味深い特徴です。
同じクエリでの AI Mode
参考までに、テスト公開が始まったばかりの AI Mode での同じクエリでの結果も確認してみました。

AI Mode の方が回答が長いように見えますが、AI Oveview の方は 2 日目以降のプランが折りたたまれているのでそう見えるだけです。
むしろ、AI Mode は 3 日間の旅程であるのに対して、AI Overview は 5 日間なので、むしろ AI Overview の方が内容は多いです。
注目したいのは回答の量よりも内容です。
紹介したように、AI Overview では写真やレビュー、地図のような視覚要素が豊富に組み込まれます。
一方で、AI Mode はテキストだけです。
Google マップの結果はあるのですが、地図が差し込まれることはなくリンクとして提供されるだけです。
とはいえ現時点での話であり、近いうちに改良が加えられるそうです。
まもなく、より視覚的な応答、より豊富な書式設定、この例に示すような役立つウェブコンテンツを入手する新しい方法など、新機能と機能を(AI Modeに)追加する予定です。
2/ We're going to be adding new features and capabilities soon, like more visual responses, richer formatting and new ways to get helpful web content as shown in this example.
— Robby Stein (@rmstein) March 24, 2025
また、関連コンテンツとして AI Mode で引用されているウェブページは AI Overview とは大きく異なっています。
AI Mode には日本サイトは現れていません。
AI Mode と AI Overview では異なるランキングシステム(グラウンディング?)が採用されているようです。
トラベルサイトの対抗策
旅程を Google 検索で作成できるとなると、旅行サイトには痛手です。
AI 検索では、個人の細かな要望に応じたプランを無限に作成できます。
たとえば、例に出したクエリは「史跡にフォーカスした」京都旅行でしたが、食べ歩きにフォーカスする、あるいは自然にフォーカスするといったプランもたてられます。
予算や日程、人数構成(1人か家族連れかカップルかなど)の設定も思うがままです。
あらゆるパターンを想定したコンテンツをサイトであらかじめ作成しておくことはほぼ不可能でしょう。
AI 検索はいわば、旅行代理店のカウンターで対面で相談しているようなものです。
対抗するには、実体験のコンテンツが有効でしょうか?
AI 検索は学習データに基づいてプランを作成しいるだけであって、そのプランで実際に旅行したわけではないのです。
生の体験に勝るのものはありません。
まさに E-E-A-T の Experience です。