[レベル: 上級]
Google の AI チャット、Bard が関連検索トピックを提案するようになりました。
また、アップデートの履歴ページが公開されました。
「Google it」ボタンで関連トピック表示
Bard の回答の末尾には「Google it」ボタンが付くことがあります。
このボタンをクリックすると、以前は、プロンプトに入れた内容をクエリにして検索が実行されました。
現在は、関連トピックを検索するためのクエリを「Search related topics」というラベルで提案してきます。
提案されたトピックをクリックして初めて、実際に検索が実行されます。
Google は、今のところ Bard から外部サイトへユーザーを送るスタンスをとっていません。
Bard が検索機会を奪ってしまうのは、Google の根幹ビジネスモデル(広告収益)に大きく関わってくる問題でもあるからです。
Search related topics で検索をまず実行させて、そこから外部サイトへユーザーを送るという狙いがあるのでしょうか?
Bard を利用したとしても検索の実行を確保できます。
ちなみに、外部サイトへのリンクを Bard が回答で提示する場面にようやく遭遇できました(2 回目)。
ただし、同じプロンプトをその後、何十回も(本当に何十回も)実行してもソースを再び表示することはありませんでした。
外部サイトへの直接のリンクを Bard が提示するのは依然としてごくごく稀です。
Bard のアップデート履歴を公開
Bard のアップデートの履歴を公開するページが提供されました。
この記事を書いている時点では、3 つのアップデートが 4 月 10 日付けで記載されています。
1 つ目は、アップデート履歴ページができたことです。
2 つ目は、この記事で紹介した「Google it」ボタンでの関連トピック検索の提供です。
3 つ目は、前日紹介した Bard の数学と論理的思考の改善です。
履歴ページに訪れれば、Bard の改良具合がわかります。
履歴ページが埋め尽くされることを期待
この記事のための検証も含めて、Bard を試しています。
率直に言えば、ChatGPT や Bing チャットの代わりに Bard を使う理由を僕は見い出せません。
ほとんどのプロンプトで、ChatGPT/Bing チャットの方が適切で満足のいく回答を提供してきます。
Bard は、完全に間違っている内容を含むことが珍しくないし、完全には間違っていないとしても首を傾げるような内容を含むことがしばしばです。
Bard の長所をしいて挙げるとしたら、最新情報に強いことでしょうか。
今週月曜日 (4/10) に、ChatGPT の開発元、OpenAI の CEO である Sam Altman(サム・アルトマン)氏が来日しました。
翌日に、アルトマン氏の来日の理由を Bard に尋ねたところ、来日した事実と岸田首相と面会したことをきちんと認識しており、理由に関してもそれなりの説明を返してきました
Google 検索のインデックスからも情報を入手できる強みが現れています。
ChatGPT にはできないことです。
📝すずき補足: ChatGPT は、2021 年 9 月までデータで学習指定ため
もっとも、Bing チャットにも同じ強みがありますが。
僕の Bard に対する印象は現状では決して良いものではありません。
それでも、Google は Bard を少しづつアップデートしています。
ベースとなる LLM を LaMDA から より強力な PaLM に変更します。
また、検索との連携のテストも始まっています。
アップデート履歴ページが埋め尽くされる頃には、ChatGPT を凌ぐパワフルな AI チャットボットに Bard が成長していることを期待します。
なによりも、「Bard をグローバルで(or 日本で)提供開始」のアップデートが早く追加されてほしいものです。