GoogleのAIによる概要 (AI Overview) の日本での展開開始。オプトインユーザーはSearch Consoleに記録されない?

[レベル: 中級]

Google から発表があったように、AI Overview の日本での一般ユーザーへの展開が始まりました。
Search Labs にオプトインしていないユーザーの検索でも AI による概要が生成されます。

非オプトインユーザーには「Search Labs」ラベルなし

Search Labs にオプトインしていないユーザーの日本の Google 検索 (https://google.co.jp) で生成された AI による概要です。

日本のGoogle検索の AI による概要

「もっと見る」で展開したところです。

日本のGoogle検索の AI による概要

オプトインしているユーザーの AI による概要と見た目には “ほぼ” 同じですが、1 つだけ大きな違いがあります。
オプトインしている場合のラベルには「Search Labs」が「AI による概要」の前に付きます。

Search Labs | AIによる概要

オプトインしていない場合のラベルには「Search Labs」は含まれず、「AI による概要」だけです。

AIによる概要

アイコンも異なっています。
オプトインしているときはフラスコで、オプトインしていないときは四芒星(先端が4つの星)のアイコンです。

ただしラベルの違いを除けば、デザインと機能に違いはありません。
先日導入された関連ウェブサイトをチェックする手段も提供されています——概要のソースを確かめられるように、段落末尾のリンクがありそのリンクをクリックすると関連コンテンツが右に表示されます。

Workspace アカウントとログオフ状態では利用できず

Search Labs にオプトインしていない一般ユーザーでも AI による概要を利用できるようになったのですが、Workspace アカウントでは利用できませんでした(Workspace アカウントはそもそもオプトインできない)。
また、Google アカウントにログインしていない状態でも AI による概要は生成されませんでした。

米 Google では、Workspace アカウントでも、また(シークレットモードで)ログインしていなくても AI Overview が生成されます。

AI Overview in Incognito 📷シークレットモードのログオフした状態で生成される米 Google 検索の AI Overview

AI による概要の日本でのリリースはまだ展開中かもしれません。
もう少し時間をおけば、Workspace アカウントやログオフ状態でも利用できるようになる可能性もあります。

オプトインユーザーの AIO トラフィックは SC にレポートされない!?

AI による概要の表示回数と検索順位、クリックのデータが Search Console にレポートされることはドキュメントでも明確化されました。

これに関して、気になる情報が飛び込んできました。

Search Labs にオプトインしているユーザーの検索で生成された AI による概要のデータはレポート対象にならないようなのです。
言い換えると、オプトインしていない一般ユーザーのデータだけが Search Console に記録されます。

Brodie Clark(ブロディー・クラーク)氏が検証結果から気付きました。
次のようにコメントしています。

Search Labs のデータは GSC にも記録されるのでしょうか?

これは、私の実験では明確にならなかった点です。データは記録されているだろうという予感はありましたが、全体的な指標が完全に一致しないため確信が持てませんでした。

結局、AI Overviews の Search Labs データは GSC には記録されないことがわかりました。つまり、Search Labs にオプトインしているログイン済みのアカウントを使用している場合(AIOのタイトルは単に「AI Overview」ではなく「Search Labs | AI Overview」になります)、AIO のデータは GSC に記録されません。

したがって、SEO コミュニティの大部分にとって、現在 Search Labs にオプトインしているアカウントを使用して AIO テストを行っている場合は、AIO の結果のトラブルシューティングを行う際に、このデータは GSC に記録されないことに注意してください。

クラーク氏は、米国で AI Overview が一般公開されてすぐに Search Console でのレポート形態を調査していました。
📝すずき補足:AIO からのトラフィックが SC に記録されることは、AIO の米国での一般公開の発表と同時に明らかにされた

検証結果を説明するブログ記事では、Search Labs オプトインユーザーがレポート対象になるかどうかははっきりとはわからないとクラーク氏は結論付けていました。
しかしその後レポート対象にならないことが判明し、X に投稿したようです。

このブログの常連読者は僕同様に、少なくともメインアカウントは Search Labs にオプトインしているはずです。
そのアカウントでの AI による概要の利用状況は Search Console では記録されていない可能性が高いことを認識しておく必要がありそうです。

AI による概要に起因する表示回数とクリック、CTR に変化が現れるのは一般公開が始まった今からになるでしょう。
もっとも、AI による概要と通常の検索との切り分けができないので、分析が容易ではないという事実は残ります。

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