・メルマガ #36(2007/02/04発行)のバックナンバー
今日のネタは「Google Bombs」、日本語に訳すと「Google爆弾」です。
今後のバックリンク戦略に、影響が出るかもしれませんよ。
「Google Bombs」というのは、Googleに限らず、サーチエンジンの、あるアルゴリズムを悪用したいたずら、嫌がらせです。
ほんの数週間前まで、Googleで「miserable failure(惨めな失敗)」を検索すると、このページが表示されてました。
⇒ http://www.whitehouse.gov/president/
Yahoo!、MSN(Liveサーチ)では、いまだに上位表示です。
アメリカ ホワイトハウスのブッシュ大統領の公式ページです。
(ブッシュ大統領の自伝のページのときもありました)
なぜだと思いますか?
ブッシュ大統領のページに、「miserable failure(惨めな失敗)」なんてキーワードがあるはずがありませんよね。
どういうことかというと「miserable failure」というキーワードをアンカーテキストにして、大量のバックリンクを
もらっているからです。
ブッシュ大統領をよく思っていない人たちが集まって、「miserable failure」をアンカーテキストにしてホワイトハウスのページにリンクを貼ったわけですね。
さらに呼びかけに応じて、面白半分に加わった連中もいました。
「miserable failure」なんて、そうそう使われるキーワードではありませんから、それほど苦労せずにトップ表示を獲得できたんでしょう。
日本でも同じようなケースがあって、「18歳未満」で検索するとGoogleもYahoo!も、トップ3に自分のページがランクされています。
誰がリンクしているのかは、考えてくださいね。w
この「Google Bombs」が物議をかもし出したのは2004年の大統領選挙と言われています。
他にも、ジョン・ケリー候補のサイトを示す「Waffles」(食べ物のワッフルですが、俗語で“無駄口”の意)
も使われました。
選挙戦で、互いの中傷に利用されたわけですね。
で、Googleはどう反応したかというと、これまで何も対処しませんでした。
Googleのポリシーとして、検索処理は完全にコンピュータに頼った自動化で、人為的な操作はしないことにしているからです。
(中国の「天安門」では例外がありましたね)
でも、さすがに問題が大きくなってきたのか、ついに手を加えることになりました。
Goolge自体がやってるんじゃないかと、思い込む人が増えてきたのも、理由のひとつだそうです。
ただし、Google Bombsの解消は、人間の手で修正するのではなく、コンピュータで自動処理できるように「アルゴリズムの変更」で対応です。
「アルゴリズム」が変わりました。
↑これ、重要だと思いませんか?
はい、ここからが今日のメインです。
相変わらず前置きが、なが?。
Googleは、「ちょっとしたアルゴリズムの変更だから、大きな影響はない」とコメントしてます。
▼Googleの公式記事
http://googlewebmastercentral.blogspot.com/2007/01/quick-word-about-googlebombs.html
が、そうとも言い切れないんです
ここからは、僕が集めた他のソースからの情報と僕自身の推測なので、「参考」としてお読みくださいね。
今回の小さなアルゴリズム変更によって、これまで定説だったバックリンク戦略を、変更しなければならないかもしれません。
みなさんは、どうやってバックリンクを貼ってもらってますか?
キーワードをアンカーテキストにして、貼ってもらってますよね。
たとえば、自分のサイトが「バレンタインのチョコレートのレシピ」についてだったら、「手作りバレンタイン チョコレート レシピ特集」とかね。
でも、もらっているバックリンクの「すべてのアンカーテキストがまったく同じもの」で、しかも、
「短期間のうちに突然バックリンクが増える」と・・・、
「Google Bombs」と判定される可能性があります。
インデックス削除とまではいかなくても、検索結果のランキングを下げる要因になるでしょう。
不自然なバックリンクってことです。
GoogleもYahoo!も、自然な形でのバックリンクを判断できるようにアルゴリズムを改良してます。
(MSNは、まだまだですねぇ)。
僕がたびたび紹介している、アメリカ屈指のSEOコンサルタントのAaron Wall(アーロン・ウォール)氏は
「メインキーワードに関連した類義語を、アンカーテキストに含んだバックリンク」も
使うようにしているそうです。
彼のブログは、「SEO Book」で検索するとGoogleでもYahoo!でもトップ表示です。
でも、彼は「seo book」以外にも、こんなキーワードでリンクを貼ってます。
▼「seo」のバリエーションとして
・search engine optimization
・search engine marketing
・search engine
・search engines
・search engine promotion
▼「book」のバリエーションとして
・ebook
・manual
・guide
・tips
・report
まったく同じ1つの言葉だけじゃなくて、同じような意味を持つ、似かよった言葉も使うほうが自然だと判断されるからなんですね。
同じ言葉ばかりでリンクが貼られていると、「作為的」だと認識されてしまう可能性があります
Aaronに言わせれば、「特定のキーワードだけでリンクを貼って、他の類義語をほとんど使わないと検索結果のランクが下がる」とのこと。
ひとつのキーワードの繰り返しじゃなくて、関連した用語を複数使うのがポイントです。
Googleは、自然なバックリンクであることをいろんな要素から判断しています。
こんな特許を過去に申請してます。
リンクの数、アンカーテキスト、リンクを発見した日、一定期間のリンクの変化、リンクの生存期間、リンクの増加スピード、増減の割合、などなど。
「いかに自然なリンクを集めるか」、これがこれからのキーポイントになりますよ。
この自然なリンクの重要視は、Googleに限った話じゃないと思います。
Yahoo!も、MSN(Liveサーチ)もGoogleに追いつけ、追い越せで頑張ってますからね。
(でも、離される一方の気がします。Yahoo!が強いのは、日本だけです。)
僕が言うのもなんですけど、なんだか、SEOって面倒ですね。(爆)
人間とサーチエンジンのいたちごっこ。
2007年も、もう2月ですが12月には、予想もしなかったSEOが登場しているかもしれませんね。