僕がSES San Joseに参加するために渡米している最中に、Googleに大きな動きがありました。
「Caffeine Update(カフェイン更新)」と名付けられた検索インフラストラクチャの刷新です。
Google Webmaster Centralブログで公式アナウンスがあり、その後Matt Cutts(マット・カッツ)氏が彼のブログで補足しています。
また、SESの会場ではWebPro Newsとのインタビューにも答えています。
Caffeineは、2005年に実行された「Big Daddy Update(ビッグ・ダディ アップデート)」呼ばれる更新に匹敵するくらいの規模だとのことです。
※Big Daddy Updateのころは、僕はまだこの世界にいなかったので詳しくありません。
“インフラ”が新しくなったってどいうこと?
と、ピンとこないかもしれません。
詳しく説明するのが難しいのですが、検索システムの基盤がガラッと変わり、まったく新しいものになりました。
「映像の再生システム」に例えてみたら、分かりやすくなるかもしれません。
自宅でTV番組の録画や映画を見る場合、その昔は「ビデオ」を使っていましたよね(今でも使っていたらゴメンナサイw)。
その後、「DVD」に取って代わられました。
これからは、「Blu-ray」の時代(が来そう)ですね。
同じ映画を見るにしても、ビデオ/DVD/Blu-rayそれぞれで、データの保存の仕組みや再生の仕組み、そして性能はまったく違いますよね。
画質、音質、記憶容量などもぐんぐん進歩しています。
ビデオ=ずっと昔のGoogle、DVD=Big Daddy後のGoogle、Blu-ray=Caffein後のGoogle、のような感じでしょうか。
「映像を視聴する(=検索結果を返す)」という目的はまったく同じですが、その目的を実現する仕組みはまったく異なっています。
その道に詳しい人からはツッコミが来そうな例え話ですが、イメージ的にはこんな感じのはずです。
さて、Caffeine Updateがどんな変化をもたらすのかというのが僕たちには気になる点ですが、検索結果そのものには、著しく大きな変化は発生しないとのことです。
ほとんどのユーザーは、違いに気づかないだろうと言っています。
いちばんの変化は、バックグラウンドでのインデックスの仕組みです。
より多くのデータをより早くインデックスできるようになったのでしょう。
また、検索結果を返すスピードも向上したようです。
とはいえ、Wikipediaやユニバーサル検索のビデオが下がったとか、ドメインのオーソリティやオーソリティサイトのタグページに対するウェイトが増したとか、目に見えるSERPの変化も発生しているようです。
MicrosoftのBingとYahoo!の提携に対抗したものだという声もありますが、コードの書き換えは数週間でできるものではありません。
したがって、公表のタイミングは対抗したかもしれませんが、開発自体は提携が発表されるずっと以前から取り組まれていたはずです。
WebmasterWorldのtedsterは、「MS+Yahoo!」というよりもむしろ、twitter、リアルタイム検索を意識してのアップデートではないかとにらんでいます。
Googleがさらにクローリングとインデックシングを高速化すれば、QDFは、新たな意味を持つのではないかともコメントしています。
Googleは、ウェブマスターからCaffeine Updateのフィードバックを受けながら、今後数ヶ月を経て、徐々に新しいインフラに移行していくものと思われます。
最後になりましたが、次世代Googleはこちらで体験できます。
http://www2.sandbox.google.com/
日本語版で体験するには、言語・地域指定のパラメータを付けます。
http://www2.sandbox.google.com/webhp?hl=ja&gl=jp
※日本国内で検索する場合には、「&gl=jp」はなくてもいいかもしれません。
なお、モバイル検索はありません。
PC版だけでのテストになります。
あなたのサイトのターゲットキーワードで、自分とライバルがどのように表示されるか検証してみてください。