[対象: 中級]
noscriptタグのなかのコンテンツを基本的にGoogleはインデックスしません。
GoogleのMaile Ohye(マイリー・オーイェ)さんは、SMX Advanced 2014でプレゼンが終わったあとの質問タイムにこのように発言しました。
Web担当者Forumの連載コラムで最近取り上げたように、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏も同様の発言を残しています。
……、noscriptタグには頼らないほうがいいだろう。なぜなら、たくさんのスパムがnoscriptを使おうとするので、noscriptの中に書かれているコンテンツを必ずしも私たちは信用するとは限らないからだ。
スパムとしての悪用が背景にある
マイリーさんの理由もミューラー氏と同じように、noscriptタグがスパムに利用されてきたからのようです。
たとえば、JavaScriptで実装するアクセス解析ツールに、noscriptタグを使ってリンクを忍ばせるテクニックは有名です。
ツール自体は無料で配布します。
しかし有料のクライアントのサイトへのバックリンクがnoscriptタグのなかに仕込みまれています。
無料なので(しかも初級者には使い勝手がいい)、多くのユーザーが自分のサイトにこのツールを設置します。
設置するサイトが増えれば増えるほど、多くのリンクが集まるという仕組みです。
しかしブラウザにはリンクは表示されません(JavaScriptを無効にしていれば表示される)。
JavaScriptを実行しない検索エンジンにだけリンクが認識されるからくりですね。
検索エンジンを操作する目的で、noscriptタグが悪用・乱用されるケース頻繁に見られるようになったため、Googleはnoscriptタグをランキング要因としては利用しないようになったのです。
マイリーさんの発言に関する詳細を、Google+のウェブマスター向けハングアウトオンエアでJohn Mueller氏が説明しています。
さらに詳しいことを知りたければ視聴するといいでしょう。
noscriptタグ = スパム判定ではない
勘違いしないでほしいことは、noscriptタグを使ったからといってそれが即スパム判定に繋がることではないことです。
マイリーさんは次のようにも言っていました。
noscriptタグの使用がユーザーにとって良いことなら使ってもかまいません。
検索エンジンを操作することではなく、JavaScriptを実行しない環境のユーザーに対応することが目的なら、noscriptタグを使うことに問題はありません。
重要なコンテンツには使わないほうがいい
とはいえ、noscriptタグのなかのコンテンツをGoogleは無視するかもしれません。
JavaScriptを処理する能力をGoogleは格段に向上させています。
しかしありとあらゆるJavaScriptでも読み取り、実行するわけではありません。
重要なコンテンツをJavaScriptで作り出している構成では、JavaScriptを実行しなときの代替策としてnoscriptタグを利用することは避けたほうが無難でしょう。
「SEO」を考慮した場合、noscriptタグは不向きです。