Googleは感情分析をランキング要因にしていない。しかしウェブでどのように言及されているかは重要 #StateofSearch 2017

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あなたのサイトがインターネットでどのように受け取られているかが、今日(こんにち)では重要だ。
たとえば、ソーシャルメディアでどんなふうに言われているかを Google は見ている。

Google の Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏は、米ダラスで開催された State of Search 2017 カンファレンスの Q&A セッションでこのようにコメントしました。

Gary Illyes & Jennifer Slegg at State of Search 2017

Google は感情分析を使っているのか?

ゲイリーのこの発言を聞いたとき、僕も含めて多くの参加者が「感情分析 (Sentiment Analysis)」 を Google は使っているようだと認識しました。

感情分析とは、ごく簡単に言えばその発言に込められている感情を理解することです。
肯定的なのか否定的なのか、嬉しいのか怒っているのか悲しんでいるのかなどです。

感情分析と Google 検索については数年前にこのブログで書きました。
感情分析について詳しくなければ、まずこれらの記事を読んでください。

さて、話を戻します。

ゲイリーは「Sentiment Analysis」という言葉こそ使わなかったものの(使っていなかったはず)、発言の中身自体は「Sentiment Analysis」を想起させました。
そこで、Google が本当に感情分析を使っているのかどうかをセッション終了後にゲイリーに直接、聞いてきました。

答えは「No」でした。

ソーシャルでどのように受け取られているかは確かに見ているが、それはいわゆる感情分析とは違うものだとゲイリーは僕に言いました。

1年前だか2年前だか、感情分析を実際に組み込んだ検索をテストしたことがあったものの検索結果の品質はひどいものだったとも教えてくれました。
少なくとも今の時点では、サイトや記事について言及したユーザーの感情まではランキングを決めるアルゴリズムには組み込んでいないようです。

ポジティブな言及かネガティブな言及かは総合的には見ている

ただ、その言及がポジティブなものなのかネガティブなものなのかをまったく見ていないということでもなさそうです。

僕と同じようにゲイリーに直接確認した Mark Traphagen(マーク・トラップハーゲン)氏に対しては、次のようにゲイリーは説明したとのことです。

ポジティブまたはネガティブな言及がブランドに対してたくさんあったときは、Google が持つそのブランドへの信用性に影響を与えることがありうる。

もっともこれを「Sentiment Analysis」と呼ぶかどうかについてはゲイリーはためらったようです。

いずれにしても、ソーシャルでの共有であれ記事からのリンクであれ、言及した投稿者の感情までは今の時点では Google はランキング要因にしていません。
しかし、言及の数が多くなればサイトの信用性に影響することはあるかもしれません。

ランキングに影響しようがしまいがブランド構築という観点からは、ポジティブな感情でもってウェブ上で言及されるようにしたいものです。