Googleパイレーツ・アップデート 〜 DMCAに基づく著作権侵害が多いサイトの順位を下げるアルゴリズムをGoogleが導入

[対象: 上級]

エマニュエル坊や

Googleは、新たな検索アルゴリズムを今週から導入しました。

デジタルミレニアム著作権法、通称DMCAに従って著作権侵害の申し立てを受けそれが受理された数が多いサイトの検索順位を下げるようにこの新しいアルゴリズムは機能します。

合法的で質の高いコンテンツをより容易にユーザーが見つけられるようにすることが狙いです。

コンテンツを無断使用しているサイト、スクレイピングサイトのような、他人の著作権を侵害しているサイトが存在します。
そういったサイトが検索結果でユーザーの目に触れないようにすることを目的として導入されました。

著作権保護を唱えてきたハリウッド関係者のAri Emanuel(アリ・エマニュエル)氏にちなんで“Emanuel Update(エマニュエル更新)”とSearch Engine Landは呼んでいます(冒頭の画像は「エマニュエル坊や」です。今回のエマニュエルとは何の関係もありません。w)。

【UPDATE】
より適切な名称をということで、“Pirate Update(パイレーツ・アップデート)”とその後呼び名を変更しました。英語では、Pirateは、“海賊”のほかに“著作権を侵害する”といった意味も持ちます。

適用されるサイトは、Googleが受理した著作権侵害の申し立てが多いサイトです。
Googleに送信された申し立ての数ではありません。
1個や2個ではなく、非常に多くの受理があった場合になります(具体的な数は当然明らかにしていない)。

また正確に言えば、アルゴリズムによる自動判定なのでマニュアル・アクション(手動措置)、いわゆるペナルティとは異なります。

Googleが所有しているYouTubeは著作権侵害の温床なのに影響を受けることがないという情報が出たことに対して、Googleは次のようにコメントしています。

  • YouTubeに関しては検索結果からの削除依頼と合わせて、YouTube専用の「著作権センター」から送信された削除要請も含まれる。
  • YouTubeやTwitter、Facebookのような著名なUGC系サイトは対象にならないだろう。ただし手動で除外しているわけではなくアルゴリズムで自動的に判別している。

なお著作権侵害を犯しているかは裁判所が決定することなので、著作権所有者から送信された削除申し立てが認められない限りは検索結果からページを削除することはありません。
そのサイトの検索での評価に影響を与えるだけです。

僕たちごく普通のサイト管理者にはほとんど影響のないアルゴリズム変更に思います。

著作権を侵害しているとして検索結果からの削除リクエストに関するデータをGoogleは公開しています。

影響を受けるとしたらここに載っている削除依頼が受理された上位のサイトになるんですかね。

いずれにしても、他人のコンテンツを無断で拝借することはあきらかに違法ですからランキングに影響しようがしまいが絶対にやめましょう。

反対に、明らかに著作権侵害を受けていると断定できるならDMCA侵害の申し立てをGoogleに送り違反サイトを検索結果から削除してもらいましょう。