高品質で信頼できるコンテンツをGoogleはどのようにして検索で提供しているのか

[レベル: 初級]

高品質で信頼できる情報を Google がどのようにして検索で提供しているかを、Google 検索の広報役を務める Danny Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏が公式ブログで解説しました。

情報の品質を確保するための 3 つの基本要素

品質が高く信頼できる情報を検索で提供するために、鍵となる 3 つの要素があるとのことです。

  • 役に立ち信頼できると人々がみなすであろう情報を特定するためにランキングシステムを根本的に設計する
  • この取り組みを補完するために、オンラインで見ている情報をユーザーが理解するのを手助けするだけではなく、医療組織や政府機関のような信頼できる組織からの情報を直接入手できるようないくつかの検索機能をほかにも開発してきた
  • 高品質で有益なコンテンツを検索で表示していることを確実にするために検索機能に現れるものに対するポリシーを決めている

この記事では、1 つ目の信頼できる情報を検索で提供するために Google が取り組んでいることにフォーカスして要約します。

高品質な情報を見極めるランキングシステムを構築するために

クエリに対して関連性が高い結果を提供するために、Google はさまざまな技術を用いています。
スペルミス修正やオートコンプリートのような単語レベルで処理する技術から、複雑な自然言語を理解するためのもっと高度な技術である BERT までいたります。

こうした技術を発展させることで関連性に関しては対応できる一方で、品質や信頼性に関してはそう簡単ではありません。
言葉や画像が正しいのか、品質が高いのか、誇張されていないのかといったことを人間ができるようには検索エンジンが判断することが難しい状況がしばしばあります。

代わりに、”シグナル” を用いてコンテンツの品質を Google は判断します。
シグナルとは、高品質だ・信頼できると人間のユーザーがみなしたページが持つ特徴と考えてかまいません。
たとえば、特定のページにリンクしている品質が高いページの数が、あるトピックに関する信頼度の高さを示すかもしれません。

レイターによる評価

Search Quality Rater Guidelines(検索品質評価ガイドライン)に基づいてレイター(評価者)は、検索結果に表示されたページが品質の特徴を備えているかどうかを査定します(すずき補足: 検索品質評価ガイドラインがどのように利用されているかはこちらの記事でサリヴァン氏が詳しく説明しています)。

レイターによる評価がランキングアルゴリズムに直接反映されることはありません。
レイターからの評価は集計されたうえで、人々が高品質だとみなすようなコンテンツを検索システムが提供できているかどうかを計測する助けになります。
そして、高品質なコンテンツを確実に提供するための改善に役立てられます。

専門性や信頼性が特に重視される分野

健康やお金に関係すること、市民に関する情報、危機的状況のように情報の品質が特に重要な分野では、専門性や信頼性をさらに重視します。
専門性や信頼性があるサイトは、間違っていたり誤解を招いたりするような情報を発信することが少ないと経験上わかってきたからです。
こうしたサイトが持つ特徴を特定するシステムを構築できれば、信頼できる情報を提供し続けられるだろうと Google は考えています。

またこうしたシステムは、(誤解を招く恐れがある情報を含む)低品質なコンテンツが検索結果に出ないようにすることにも役立っています。

情報の品質を確保するための 3 つの基本要素の残りの 2 つは、Fact Check(ファクトチェック)やナレッジパネル、強調スニペットなどの特殊な検索結果です。

こうした機能は、ユーザーが求めている情報を Google の検索結果で直接提供します。
不正確だったり不適切な情報を提供しないようにポリシーを Google は定めています。

以上、信頼できる情報を Google がどのようにして検索で提供しているかについての公式記事をざっくりと要約しました。
原文を読める方は、もちろん原文を読んで細部まで理解するに越したことはありません。

また、ナレッジパネルで提供する情報の正確性を保つための取り組みを公式ブログの別記事で Google は紹介しています。

ナレッジパネルに出てくる情報はナレッジグラフのデータから抽出されます。
ナレッジパネルの主要なデータソースは Wikipedia です。
Wikipedia そのものが正確な情報を掲載できるように “荒らし” から保護するための Google の支援にも触れています。

こちらも読むといいでしょう。