[レベル: 中級]
偽の情報を排除するための取り組みを解説したホワイトペーパーを Google は公開しました。
どこぞの国の大統領が好んで使う “フェイクニュース” も偽情報の 1 つに含められます。
検索とニュース、そして YouTube と広告のサービスにおいて偽の情報をユーザーに提供しないようにするために Google がどのように取り組んでいるかが書かれています。
検索とニュースに関わる部分は、僕たちにも関係してくる内容です。
とはいえ、サイト管理者向けではなく一般ユーザー向けの文書ということもあり、目新しいことが書かれているわけではありせん(むしろ読み終われば、「ああ、そうだよね」の感想で終わる程度)。
それでも、E-A-T や YMYL という用語が出てくるので敏感に反応する人もいることでしょう。
この記事では、特に YMYL と EAT が登場するセクションに絞ってこのホワイトペーパーを紹介します。
E-A-T を持つコンテンツを上位表示
いくつかのアプローチを用いて、ウェブ検索およびGoogleニュースにおいて偽の情報が検索結果に出てこないように対策しています。
そのうちの 1 つが検索アルゴリズムです。
自動化されたアルゴリズムによってランキングを決定し、高品質なコンテンツが検索結果の上位に出るようにします。
結果的に、低品質だったり誤った情報を意図的に提供しようとしたりするコンテンツは下に追いやられユーザーの目にとまりにくくなります。
Google のアルゴリズムは、そのコンテンツの趣旨、言い換えるとそのコンテンツの事実の正確性を識別しません(つまり、本当かウソかはアルゴリズムでは判断していない)。
しかし、専門性・権威性・信頼性(expertise, authority, trustworthiness、みんな大好き E-A-T です!)を示す兆候を持つサイトを検出できるようにアルゴリズムは設計されています。
次のような手段で専門性・権威性・信頼性を Google は評価しています。
- 信頼性と権威性があるシグナルを検出するアルゴリズム――もっとも有名なのが PageRank
- 絶え間のないアルゴリズム改善――2017 年だけで 200,000 個のテストを評価者の力を借りて実施。そのうち 2,400 個以上のアルゴリズム更新を実際に導入した。
- 評価者の協力――検索結果の品質を評価する評価者の力を借りている。評価者は、ユーザーがクリックして訪問したサイトが探し求めていたコンテンツを提供しているかどうかと、コンテンツの専門性・権威性・信頼性に基づいて検索結果が構成されているかどうかを評価する。
- 評価の利用――評価者による評価は、個々のウェブサイトのランキングには影響しない。検索結果品質の基準を判断する手助けになる。これは、高品質の基準に見合う結果を世界規模で認識できるアルゴリズムの開発に役立つ。評価の仕組みを確実にするために評価ガイドラインを作成している。
- 比較評価――評価者は、Google が検索に導入しようとしている改良の評価も行う。導入前と導入後の検索結果を並べて、どちらを好むかとその理由を尋ねる。フィードバックは、その改良の導入を決定する際の重要な指標になる。
YMYL は特に厳しく評価
2014 年に導入した “Your Money or Your Life”、通称 YMYL と呼ぶカテゴリに属する情報に関しては、信頼性と安全性を特に厳しく評価します。
YMYL はお金のやり取りと医療、法律に関わるジャンルです。
現在は、ニュース記事も YMYL に含まれます。
ニュース記事には公開されていて公式な情報が求められます。
YMYL に関わるトピックであると Google が判断した場合は、専門性・権威性・信頼性 (E-A-T) のような要素を評価するランキングシステムがより重要視されます。
評価者にも、YMYL のトピックに関しては品質と信頼性に関してより注意して評価するように依頼しています。
ホワイトペーパーの検索、特に YMYL と E-A-T に関係する部分は以上のとおりです。
品質評価ガイドラインの抜粋版のようなイメージですね。
YMYL と E-A-T 以外には、偽情報を排除するに至った背景やスパム対策による偽情報の削除などにもホワイトペーパーは触れています。
興味がある方はそちらも読むといいでしょう。