Google、パンダアップデート4.2を実施済み。展開完了までには数か月かかるか?

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パンダアップデート4.2

パンダアップデートの更新を先週末にGoogleが実施していたことを、Search Engine Landが報じています。
パンダアップデート4.2と、今回の更新をSearch Engine Landは呼んでいます。

【UPDATE】
GoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏が、公にTwiiterでも認めました。

先週末に、パンダアップデート更新の展開を始めた。完了までに数か月かかるだろう。2〜3%のクエリに影響する

Googleから情報提供を受けたBarry Schwartz(バリー・シュワルツ)氏が、個人ブログであるSearch Engine Roundtableで公開した投稿からの追加情報もふまえて、パンダアップデート4.2の内容をこの記事では説明します。

10か月ぶりの更新

先週土曜日(7/17)あたりに更新を実施したようです。
現地時間の話なので、日本では先週日曜日になるでしょうか。

前回、パンダアップデート更新をGoogleが公表したのは、2014年9月下旬でした。
この間に更新が実施されていないとすると、およそ10か月ぶりの更新になります。

6月に開催されたSMX AdvancedでGoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏は、2〜4週間後にパンダアップデートの次回更新を実施予定であることをコメントしていました。
実際には、このときから6週間以上後ということになります。

展開完了までには数か月

パンダアップデート4.2は非常にゆっくりとしたペースで展開し、完了までには数か月かかることもありうるとのことです。
数か月 (months) というのは幅広い表現です。
2か月なのか3か月なのか4か月なのかははっきりしません。

これがなかなかやっかいです。
パンダアップデートで順位が下がっていたサイトに対しては、リカバリできたかどうかの確認を難しさせそうです。
反対に、最新のパンダによって評価が下がり検索トラフィックが減ったのだとしても気付けないかもしれません。

先週末に「検索結果が動いている」という話は聞いていないです(よね?)。
更新が明らかになった後の海外SEO系のフォーラムでも、変化を確認できたという報告は、ゼロではありませんがきわめて少数です。

検索結果に与える影響は2〜3%

英語の検索結果に与える影響は2〜3%程度になるようです。
日本語を含む他の言語への影響度は不明です(なお英語だけの更新とは考えづらく、グローバルでの更新と考えて間違いないでしょう)。

【UPDATE】
グローバルでの更新実施です。

2〜3%というのは微妙なラインじゃないでしょうか。
ものすごく小さいとまではいかないにしても、大変動ではまったくありません。

この影響度の小ささが、1つ上で触れたゆっくりとした展開と相まってパンダ4.2の実施に気付けなくさせたようです。

リカバリは起きている

変化がほとんど見られないといえど、パンダアップデートに低品質評価を受けたサイトが今回の更新でリカバリに成功したと思われる事例が出てきています。

冒頭で紹介したSearch Engine Roundtableは実は、パンダアップデート4.0に悪影響を受けた可能性が濃厚でした。
しかし今回の更新で復活できたようです(バリーの許可を得て画像は掲載しています)。

Panda Update 4.2でリカバリできたSearch Engine Roundtable

パンダアップデート(とペンギンアップデート)のエキスパートであるGlenn Gabe(グレン・ゲイブ)氏は、パンダにやられたと思われる複数のサイトに今のところ変化はほとんど見られないとしながらも、2、3のサイトではトラフィックが大きく上昇したことをGoogle+に投稿しています。

I’ve reviewed my Panda data multiple times to gauge the impact from Panda 4.2 so far. Not much movement at all on Panda-susceptible sites. #seo
That said, there were a few sites that saw movement (and some Panda-like). For example, notice the bump & surge in the screenshot below.

評価はサイト単位、更新適用はページ単位

パンダアップデートはサイト全体として評価されます。
これはパンダアップデート4.2も例外ではありません。

優れたページがわずかに存在していたとしてもサイト中が低品質コンテンツばかりだったとしたら、その優れたページも低品質評価の影響を受ける(=検索結果が下がる)かもしれません。
個々のページではなくサイト内のすべてのページを総合してサイト単位でパンダは評価します。

しかしながらパンダ4.2は展開速度がゆっくりなため、サイト全体の品質が高まったとしても、あるページは順位が回復したのに別のページは低いままということがあり得るようです。
アルゴリズムの対象はサイト単位でありながらも、更新の適用はページ単位で実行されるからです。

本当にリカバリできたかどうかを判断するには、数か月みなければならないサイトも出てくるかもしれません。

アルゴリズム更新ではなくデータのリフレッシュ

アップデート4.2はアルゴリズム本体の変更ではありません。
アルゴリズムが利用するデータの差し替え、つまり最新の状態の反映になります。

今からの修正は次回の更新で適用

パンダアップデートで低品質評価を受けていて対処してきたが今回の更新でも復活できずに、さらなる対処にとりかかったとします。
あるいはパンダアップデート4.2によって新たに低品質評価を受けて、対処したとします。

その結果はすには反映されません。
次回の更新までおあずけです。

パンダアップデートには、リアルタイム更新の能力が備わっています。
しかし更新を実行するには最新データが必要です。
データの収集・処理には、これまでの状況からは月単位の時間が必要なようです。
4.2はデータに問題があり、更新実施までに10か月も間隔が空きました。

次の更新はいつになるのでしょうか?
今回の更新完了には数か月かかるとのことですから、早くても数か月後ということになるでしょう。
年内にもう1回あるかないか、ですかね。

更新間隔をもっと短くすることをGoogleは目指してはいますが、いつ実現するかは不透明です。

以上です。

普通に、まじめに、サイト運営していればパンダアップデートを気にかける必要は全然ありません。
とはいえ、SEO好きな僕たちにとってはメジャーなアルゴリズム更新は年に数回の大きな“イベント”ですからワクワクしますね。(笑)