Google、サイトの評判の不正使用のポリシーを更新。サードパーティ製コンテンツは例外なくポリシー違反

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サイトの評判の不正使用に関するスパムポリシーを Google は更新しました。

適用範囲を厳格化、どんなサードパーティサイトであれポリシー違反

本体サイトの関与や監督があるかどうかにかかわらず、ランキングシグナルを悪用しようと試みて第三者がコンテンツを公開する行為はサイトの評判の不正使用のポリシー違反である

このように、更新したドキュメントは明確化しました。

サイトの評判の不正使用のこれまでの定義は次のとおりでした。

サイトの評判の不正使用とは、ファーストパーティの監督や関与がほとんどまたはまったくない状態で、サードパーティのページを公開することを指します。

📝強調は僕による

「ファーストパーティの監督や関与がほとんどまたはまったくない状態」は、言い換えれば、ある程度の管理監督がファーストパーティ(本体サイト)によってなされてさえいれば、ポリシー違反とはみなされなかったということです。
ホワイトレーベルサービスとの協力やライセンス契約、部分的な所有権契約、その他の複雑な業務提携など本サイトの関与があれば問題にはならなかったのです。

しかし Google は、さまざまなケースを評価した結果、ファーストパーティと直接の関わりがないサードパーティ(第三者)が公開したコンテンツはすべて、ホストサイトのランキングシグナルを不正に利用しようとする行為に該当すると判断できるに至ったとのことです。

サイトの評判の不正使用の定義は次のように更新されました。

サイトの評判の不正使用とは、ホストサイトのランキングシグナルを不正に利用して検索ランキングを操作しようと試みるために、第三者のページをサイトに公開する行為のことです。

この記事を書いている時点で日本語ドキュメントは未更新のため、新しい定義の翻訳は僕によります。
英語の原文は次のとおりです。

Site reputation abuse is the practice of publishing third-party pages on a site in an attempt to abuse search rankings by taking advantage of the host site’s ranking signals.

「ファーストパーティの監督や関与」への言及が削除されました。
管理監督の有無にかかわらず、ファーストパーティサイトのランキングシグナルを不正に使用する目的でサードパーティが公開したコンテンツは例外なくポリシー違反です。

本体サイトとの関係を偽装することでポリシー違反をかいくぐっていた寄生サイトも存在していたようです。
そうしたサイトを検索結果から排除することを視野に入れたポリシー更新と思われます。

なお「例外なくポリシー違反」と書きましたが、サイトの評判を悪用してランキングを不正操作する目的でなければサードパーティのコンテンツ公開はポリシー違反ではありません。
サイトの不正使用とはみなされない例がガイドラインに挙げられています。
📝すずき注:5 つ目の例からは「ホストサイトの十分な関与のもと作成され (that’s produced with close involvement of the host site)」の文言がポリシー更新に伴って削除されている

サイト内の独立したセクションは別評価

サイトの評判の不正使用のポリシーの更新とは別にして、更新アナウンスではサイト内の独立したセクションは本体サイトとは区別して評価するシステムについて触れています。

サイトの評判の不正使用の問題以外にも、サイトの一部がサイトのメインコンテンツから独立しているか、または大きく異なっているかを理解するためのシステムと手法があります。これらの領域を独立したサイトとして扱うことにより、サイトのサブセクションがメインサイトの評判だけでランキング上昇を獲得しないように、より公平な競争環境を確保できます。

このブログで以前に取り上げたことがある「Google は、メインサイトとは独立しているセクションを区別して別評価する」のことです。

アナウンス記事は次のように続けます。

サイトのセクションの違いを理解しようとする私たちの取り組みは、サブセクションがサイト全体のシグナルの恩恵を受けなくなった場合、トラフィックの変化につながる可能性があります。これは、これらのサブセクションが何らかの形で降格されたり、スパムポリシーに違反していることを意味するものではありません。それは、たとえそれらがサイト内に配置されていても、独立して測定していることを意味します。

本体セクションとは著しく異なるテーマのコンテンツを扱うセクションがサイト内にある場合、サイトの不正評判の不正ポリシーとは無関係に、ランキング変動する場合があります。
本体サイトの評価を引き継がないように Google が分離して評価するからです。

サイトの評判の不正使用のポリシーは現状では、手動による対策で処理しています。
アルゴリズムによる自動処理はいまだ導入されていません。

個人的には、サブセクションの別評価の検索システムと何が異なるのか疑問に思わないこともありません。
サイトの評判の不正使用のポリシー違反では、評価を別にするだけではなく評価そのものを下げたい(≒ペナルティ)のでしょうか?