Googleは、同意語・類義語(synonym: シノニム)の判別能力をより一層向上させたと公式ブログでアナウンスしました。
Googleの調査によると、サポートしている100以上の言語に渡ってユーザーが検索する70%以上に対して同意語は影響を与えているそうです。
今回の改良によって、同意語が著しく検索結果を向上させたクエリが50回に1回の割合で見られたとのことです。
いくつかの例が挙げられています。
たとえば、”picture”と”photo”はどちらも「写真」という意味を持ち、大抵の場合置き換えても意味が通じます。
同意語です。
また、英語には単数形・複数形があります。
“picture”と”pictures”も同じ意味で使われることが多いでしょう。
同意語です。
これらをGoogleは認識できます。
ところが、コンテキストによっては同じ意味にならないこともあります。
日本語の「動画」を英語では、”motion picures”と言うことができます。
しかし、”motion photos”という英語はありません。
「腕」を意味する”arm”(単数形)と”arms”(複数形)も、置換えができることが多いでしょう。
しかし、”arm reduction”と”arms reduction”は、意味がぜんぜん違います。
前者は「二の腕ダイエット(直訳は腕の贅肉を減らすこと)」、後者は「武器削減」または「戦略兵器削減条約」といった意味になります。
人間にとっては前後の文脈から簡単に区別できることでも、機械にとっては簡単なことではありません。
今回Googleは、こういった同意語の識別能力を向上させたのです。
検索キーワードは検索結果で太文字で表示されます。
同意語も太文字で表示されるようになりました(鈴木注:これは以前からそうなっているキーワードもありますよね)。
”picture”が含まれる検索結果で”photo”も太文字で表示されます。
さて、ここまでは「なるほどね。Googleで検索したらキーワードとして入力していなくても同意語まで調べてくれて、より幅広く関連した情報を見つけれくれるんだ。ありがたい。」という、どちらかというとユーザーサイドでの話になります。
僕たちSEOに取り組むウェブマスターは、このGoogleの同意語の判別力向上をどのように活かせばいいのでしょう?
Matt Cutts氏がヒントを出してくれています。
As far as concrete advice for webmasters, the same advice still holds that we’ve always said: think about the different words that searchers might use when looking for your content. Don’t just use technical terms–think about real-world terms and slang that users will type. For example, if you’re talking about a “usb drive,” some people might call it a flash drive or a thumb drive. Bear in mind the terms that people will type and think about synonyms that can fit naturally into your content. Don’t stuff an article with keywords or make it awkward, but if you can incorporate different ways of talking about a subject in a natural way, that can help users.
“ウェブマスターに対する具体的なアドバイスに限って言えば、僕たちがいつも言ってるアドバイスが今でもそのまま通用するよ。ユーザーがキミのコンテンツを探すときに使うもしれない別のキーワードについて考えるんだ。専門用語だけを使うんじゃなくって、現実の世界で使われているユーザーが入力しそうな用語や俗語のことを考えてごらん。たとえば、「USBドライブ」について話していたとするよね。「USBドライブ」を「フラッシュ ドライブ」とか「サム ドライブ」と呼ぶ人だっているんじゃないかな。人々が入力するキーワードのことを忘れることなく、コンテンツに自然にフィットする同意語について考えるんだ。キーワードを詰め込んだり、ぎこちなく入れたりするのはダメだよ。でも主題のトピックについていろんなやり方を取り入れて自然な形で一緒にできたら、ユーザーの役にもたつはずだよ。”
上位表示させたいキーワードに固執するのではなく、豊富な言い回しや読みやすい文章が、もっともっと求められてくるでしょう。
このパスタの記事が参考になるはずです。
同意語や関連用語をふんだんに使って記事を書くと、検索エンジンに「何について書かれているページなのか」をより明確に伝えることができると同時に、複合キーワードでの検索による思わぬアクセスに繋がることも多いのです。
もっとも検索エンジンを対象にするのではなくて、人間を対象にしたライティングのスキルを伸ばすことをおススメします。
この記事の前半で紹介したGoogleの同意語認識能力は、人間に近づいているわけですからね。