[レベル: 中級]
「ドメイン プロパティ」の機能が新バージョンの Search Console に追加されました。
ドメイン プロパティは、www ありなしやモバイルサイト向けの m ドメインなどすべてのサブドメインと、http および https の両方のプロトコルのサイトのデータをまとめてレポートします。
旧バージョンの Search Console で提供されていた、複数のプロパティをまとめることができるプロパティ セットにも似た機能になります。
ドメイン名レベルと URL レベルを選択してプロパティ追加
ドメイン プロパティが有効になると Search Console に新規にプロパティ(サイト)を登録する際に、次の 2 つのうちどちらのプロパティを追加するかどうかを尋ねられます。
- ドメイン
- URL プレフィックス
ドメイン
「ドメイン」が今回新たに追加されたドメイン プロパティの作成です。
example.com のようにルートドメインを指定します。
ドメイン プロパティにはたとえば次の URL がすべて含まれます。
- http://example.com/(www なし、http)
- https://example.com/(www なし、https)
- http://www.example.com/(www あり、http)
- https://www.example.com/(www あり、https)
- http://m.example.com/(サブドメイン、http)
- https://m.example.com/(サブドメイン、https)
- http://www2.example.com/(サブドメイン、http)
- https://www2.example.com/(サブドメイン、https)
- http://www.sub.example.com/(サブ-サブドメイン、http)
- https://www.sub.example.com/(サブ-サブドメイン、https)
- http://www.example.com/hoge/(サブディレクトリ、http)
- https://www.example.com/hoge/(サブディレクトリ、https)
example.com と example.jp、example2.com はドメインレベルで一致していないので、ドメイン プロパティとしては構成できません。
従来のプロパティセットでは可能でした。
URL プレフィックス
「URL プレフィックス」は、従来のプロパティです。
ドメイン単位または、サブディレクトリを含むドメイン単位で追加し、www ありなしと http/https は別々に認識されます。
蛇足ですが、URL プレフィックスという名称は初級レベルの人にはわかりづらい気がします。
DNS での確認必須
ドメイン プロパティを構成するには DNS レコードによる確認が必須です(URL プレフィックスは、これまでどおり HTML ファイルや meta タグ、Google アナリティクス のトラッキングコードなど複数の確認手段をサポートしています)。
すでに DNS レコードで確認してい場合は自動的にドメイン プロパティが作成されているはずです。
DNS レコードによる方法で確認していない場合は、指定された TXT レコードを DNS に事前に追加しておく必要があります(DNS レコードの編集方法はお使いのサーバーによって異なります。方法がわからないときは、利用しているサーバーのヘルプを参照するかサポートに問い合わせてください)。
ドメイン プロパティの追加に成功するとプロパティ選択の一覧から選べるようになります。
ドメイン プロパティは現在展開中です。
まだ設定できないとしても、すぐに利用できるようになるでしょう。
利用する方はヘルプ記事で仕様の詳細を確認しておくことを推奨します。
3月いっぱいで廃止されるプロパティセットの完全な置き換えにはドメイン プロパティはなりません。
ですが、一般的なサイト管理者にとっては、wwwありなしと http/https を自動でまとめてくれるだけで十分なようにも思います。
wwwありなしと http/https でデータが別々にレポートされることを知らずに困惑するサイト管理者も多くいます。
ヘルプフォーラムにはこれに起因する質問がたびたび目にします。
ドメイン プロパティは1つ作ればよく、1つ1つ登録してプロパティセットを作成する手間が省けるので、僕たちにとっても便利な機能です。
1つ気になる点は、DNS レコードによる確認が必須なことでしょうか。
初級レベルの人にとっては、技術的にやや敷居が高いようにも感じます(決して難しいことではないのですが)。
また、DNS のレコードを自由に編集できないサーバーでは、ドメインプロパティを構成できません。