Google、AI Overviewの中でショッピング広告を掲載するテストを開始

[レベル: 上級]

AI Overview の中での広告掲載のテストを Google は開始しました。

AI Overview の外ではなく中に広告を表示

太平洋時間の 5 月 21 日に米マウンテンビューで Google Marketing Live が開催されました。
このイベントのなかで、Google の副社長で、広告部門を統括している Vidhya Srinivasan 氏が、AI Overview での広告掲載について発表しました。

AI Overview は、従来の検索結果では得られない特に役立つ情報が含まれる場合に表示されます。検索体験のテストと進化を続ける中で、私たちはパブリッシャーやクリエイターへの貴重なトラフィックの送客に引き続き注力していきます。そして、ユーザーがより多くの選択肢を探求できる道が開かれれば、それは広告主にとってもより多くの機会につながります。

すでにご存知かもしれませんが、私たちは AI Overview の上下に広告を表示しています。これらの広告は、ユーザーの検索クエリに合わせて表示されます。今回、私たちは米国において、AI Overview 内に検索広告とショッピング広告を表示するテストを開始します。これは、多くの方々から寄せられた要望であり、皆様からのフィードバックを参考にしながらテストと学習を進めていきます。今回の新たな試みとして、これらの広告は検索クエリだけでなく、AI Overview 内の情報にも合わせて表示されます。そして、これまでと同様に、広告であることは明確に表示されます。

具体例を挙げましょう。旅行中にスーツケースを開けると、しわくちゃの服が出てくるという、誰もが経験する問題があります。私も最近、この問題を解決しようと「アイロンなしで服のしわを取る方法」を検索しました。きっと私だけではないはずです。AI Overview のおかげで、すぐにいくつかの一般的な旅行のヒントを見つけることができました。表示された多くの選択肢の中から、私は「しわ取りスプレー」という、今まで聞いたことのなかった素晴らしい解決策を見つけました。これは試してみたいと思いました。

この機能を使えば、広告をその場でクリックしてすぐに購入することができます。以前であれば、このスプレーを買う方法を調べるために、新しい検索をしなければなりませんでした。このように、私たちは消費者がすぐにアクションを起こせるように、より簡単かつ迅速に情報を提供しています。

これは、私たちが生成 AI を活用しているほんの一例です。検索広告にも、生成 AI の多くの応用が可能です。

主要点を箇条書きでまとめます。

  • ショッピング広告を AI Overview の中に掲載
  • 米国でテスト開始
  • クエリだけではなく、AI Overview の内容にも関連した広告を表示
  • 広告からそのまま購入も可能

AI Overview の中に広告が掲載される場面です。

AI Overview による収益源の回避策

AI Overview の説明だけでユーザーが求めていた情報を入手できた場合、広告をクリックしなくなります。
これは、Google の主要な収益源である広告収入の減少を意味します。

AI Overview による広告収入減を Google がどのように解決するのかを僕たちも気にしていました。
手段の 1 つとして、AI Overview(当時は、SGE のスナップショット)の中での広告掲載も考えられていて、まさにそれが現実のものとなりました。
予想の範囲内といえば範囲内です。

今は米国でテストが始まったばかりですが、いずれグローバルで展開するでしょう。

こちらは、Markeging Live の動画です。
Srinivasan からの AI Overview 内の広告の話は [47:21] あたりから始まります。