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Googleは、モバイル検索においてモバイルフレンドリーかどうかをランキング要因として利用することを先日発表しました。
このアルゴリズム更新について、3月3日〜5日に米サンノゼで開催されているSMX Westカンファレンスで、GoogleスイスのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏が話しました。
TheSEMPostとSearch Engine Landがその内容をレポートしています。
イリーズ氏が話したことを、僕からの補足も交えつつ一緒に見てみましょう。
Googleのゲイリー・イリーズが語るモバイルフレンドリー アップデート
レスポンシブ ウェブ デザインは有利にならない
Googleはレスポンシブ ウェブ デザインを推奨しています。
しかし、レスポンシブ ウェブ デザインでモバイルサイトが構成されているというそれだけの理由で評価を上げることはありません。
これは、僕が先日書いたとおりですね。
とはいえ、Googleがレスポンシブ ウェブ デザインを推奨していることも確かです。
また「モバイルフレンドリー = レスポンシブ ウェブ デザイン」でもありません。
レスポンシブ ウェブ デザインであっても、モバイルユーザーが見づらい、使いづらい、利用しづらいサイトは検索順位が下がる可能性があります。
CSSやJavaScriptをブロックしない
CSSやJavaScript、画像などコンテンツのレンダリングに必要なアセットへのGooglebotのクロールをrobots.txtでブロックしてはいけません。
これも何度も言われていることですね。
そのページを適切にGoogleが理解できなくなります。
結果として、本来よりも低いランキングになってしまうかもしれません。
コンテンツのレンダリングに必要なアセットをブロックしないことは、モバイルサイトに限りません。
Googleは技術ガイドラインを更新してすべてをクロールさせるように指示しています。
ページ単位の評価
モバイルフレンドリーかどうかは、ページ単位で評価されます。
サイト単位ではなくページ単位だということです。
モバイルフレンドリーなページとモバイルフレンドリーでないページが混在していたとしたら、順位が上がるページと下がるページが出てくるかもしれません。
どのページに問題があるかは、ウェブマスターツールのモバイルユーザビリティレポートでチェックするといいでしょう。
APIを使って、モバイルフレンドリーテストで複数ページを一括で診断する方法もあるようです。
タブレットからの検索に影響するランキング要因はない
現時点では、タブレットからの検索だけに適用する特定のアルゴリズムを作る計画はありません。
Googleは、タブレットをPCと同等に扱っています(これも、「今のところは」になるのでしょうか?)。
4月21日に一気に実施されるのか? それとも小刻みに実施されるのか?
この質問にははっきりと答えなかったそうです。
「非常に重要な日」 (a very important day) とだけ強調したとのことです。
どのように実行されるのか関しては、ミューラー氏もはっきりしませんでした。
本当にまだ決まっていないのか意図的に明らかにしないようにしているのか、どちらなんでしょうね。
リアルタイムに評価
そのページがモバイルフレンドリーかどうかは、リアルタイムに評価されます。
「リアルタイム」(real-time)が正確に何を意味するかはわかりません。
推測するに、再クロールと再インデックスの後の再処理を経て自動的に反映されるのだと思います。
一部のアルゴリズムのように手動での更新ではないようです。
検索結果への反映タイミングはそのページのクロール頻度に大きく依存しそうです。
スマートフォン専用のインデックスを作る予定あり
スマートフォン専用のインデックスの作成に取り組んでいるチームがすでにあります。
PCからのウェブ検索とは別個に、スマートフォンからのモバイル検索向けの検索結果の開発にすでに着手しているそうです。
詳しいことは明らかにしていません。
以上です。
イリーズ氏と同じGoogleスイスに所属しているJohn Mueller(ジョン・ミューラー)とのQ&Aとともに、気になる情報がたくさんあったのではないでしょうか。
個人的には、最後の「スマホ専用のインデックス」が最もインパクトがありました。
驚きのニュースです。
とはいえ、スマホ対応がランキング要因になったのと同じようにいずれはそうなるだろうと予想はできましたね。
もっとも実験的に取り組んでいるだけかもしれず、実際に導入するかどうかまではわかりません。
こんな話が聞けるなら、僕もSMX Westに行けばよかったと残念に思います。
でもモバイルフレンドリーアルゴリズムの導入をこのタイミングでGoogleが発表することは予測できなかったので仕方がないですね。