Googleが、「Google Knol(グーグル ノル?、グーグル ナル?)」という新しいサービスを準備中です。
Google Knolというのは、Knowledge Base(ナレッジ・ベース)で、さまざまな情報の蓄積物です。
ネットで言えば、百科事典サイトのWikipedia(ウィキペディア)や、Q&AサイトのYahoo! Answers(日本ではYahoo! 知恵袋)が相当します。
IT業界で言えば、Microsoftの技術情報は、Microsoft Knowledge Base(MS KB)と呼ばれたりします。
Google Knolは、誰もが、あるトピックに関するページを自由に作成することができます。作成した個別ページはknolと呼ばれ、他の人がコメントしたり、評価付けしたりできます。作成者が許可すれば、寄稿することも可能です。
Knolページには、Googleアドセンスを表示することもできて、報酬をシェアできます。
Google Knoledgeはサービス内の検索機能もありますが、サーチエンジンのクローラがアクセスできるのでGoogleやYahoo!などの通常のサーチエンジンの検索結果にも現れます。
ユーザー参加型のWikipediaやYahoo! Answersが急速に普及し、質の高い情報(低い情報もありますが)が集まり、検索結果の上位に表示されてきたのはご存知のとおりです。
Googleも、ユーザー主体のコンテンツ提供サービスに参入する意思があるということなのでしょう。
ユーザーが個別のページを所有してオリジナルのコンテンツを配信できるという点では、目新しいように思えますが、アメリカではSeth Godinという人が「Squidoo」という同じようなサービスを数年前から立ち上げています。
Squidooは、”Everyone’s an expert on something!(誰もが何かについてのエキスパートだ)”をキャッチコピーにして、Lens(レンズ)と呼ばれる個別ページを所有して、オリジナルのコンテンツを配信できます。
実はこのSquidooは、SEOの側面から言うと非常に強いサイトなのです。したがって、Squidooの中にあるLensページもその恩恵をあずかり、上位表示されやすいのです。
Lensに直接、自分が狙った目的の情報(商品・サービス、公告、アフィリリンク)を直接掲載してもいいし、Lens経由でユーザーを別のサイトに誘導することもできます。
もっともこんなサービスなので、当然スパムも発生しています。
Googleも、Google Knolのリリースに当たっては、スパム対策を重要視していて、Bloggerなどで培ったノウハウを活用するとのことです。
Googleが提供する、このGoogle KnolがWikipedeiaやYahoo! Answersにどんなふうにして立ち向かっていくか、注目していきましょう。
Googleに自分独自のコンテンツを載せたページを持てて、しかもそれを公開できるわけですから、SEOやネットビジネスという観点からはもちろんのこと、単純な情報発信という観点でも注目に値します。
これまでは、考えられなかったことですからね。
ただ、Google Knolはプライベートベータテスト中で、一般ユーザーは参加も閲覧もできません。
公開時期も未定で、それどころか計画だけで公開しない可能性もあるとのことです。
この記事に載せたスクリーンショットは、GoogleのVice President of Engineering」のUdi Manber氏の奥さんが、テストに参加して作成したKnolです。
「INSOMNIA」とあるので、「不眠症」について書かれているのでしょう。
文字と画像のコンテンツ以外にも、評価やコメント、アドセンスが見えますね。
All the screenshots are provided from
Google Knol – Google’s Play To Aggregate Knowledge Pages.
Thank you very much, Danny.