[レベル: 中級]
Googleは、ペンギンアップデートの更新を実施しました。
英語版・日本語版の公式ブログで同時にアナウンスが出ています。
ペンギンアップデートは、ウェブスパムに対抗するためのアルゴリズムで、PageRankを操作する不正なリンクを主要なターゲットにしています。
2012年4月に導入されました。
導入後数回更新を繰り返したものの、最後の更新からは実に2年近くが過ぎようとしていました。
いわば、”待ちに待った”更新と言っていいでしょう。
更新は、日本語を含む全言語が対象です。
コア アルゴリズムに組み込まれリアルタイム更新に
今回の更新から、ペンギンのアルゴリズムがコア アルゴリズムに組み込まれました。
「コア アルゴリズム」とは、簡単に言えば、手動による特別なアクションを必要とせず、自動で継続的に処理を続けるアルゴリズムです。
ペンギンのデータを更新するには、従来は、「更新を実行する」という人間の手による作業が必要でした。
しかし、もはやペンギン更新には人手は介在しません。
絶えず更新を続けます。
パンダアルゴリズムも似たようたパターンでしたね。
手動での更新を何度も何度も繰り返していましたが、現在はコア アルゴリズムに組み込まれています。
Googleが、ウェブページを再クロール、再インデックスし、その処理が完了するとペンギンのアルゴリズムが直ちに検索結果に反映されます。
間隔が空く不定期な更新からリアルタイムの更新へと進化しました。
リアルタイムと言っても文字どおり「瞬時に」ということではないでしょうが、それでも今までよりもずっとずっとスピーディに最新の状態が反映されることでしょう。
再クロール、再インデックスはそのページが対象
検索結果に最新の状態が反映されるためには、あなたが管理するサイトのウェブページが再クロールと再インデックスされる必要があります。
あなたのサイトに(不正な)リンクを張っているスパムサイトの再クロール、再インデックスではありません。
あなたのサイトのページを再クロール、再インデックスしたときに、そのページに対するリンク状態が今どうなっているかを考慮に入れます。
たとえば外部サイトからあなたのサイトに張ったリンクが削除され、Googleが、その外部サイトのページを再クロールして削除を認識していたとしても、あなたのページが再クロールされない限りは検索結果には反映されません。
なお、スパムサイトではなくウェブマスターのサイトのページを見ていることは公式ブログの記事には書かれていません。
Googleの広報からJeniffer Slegg(ジェニファー・スレッグ)氏が追加で得た情報です。
今後の更新アナウンスはなし
コア アルゴリズムに組み込まれたことにより、自動で継続的なリアルタイム更新になりました。
これにともない、ペンギンアップデート更新に関するアナウンスは今後はなくなります。
いつも更新しているのだから、たしかに、更新のお知らせはできませんね。;)
データ更新に限らず、アルゴリズム本体の更新に関しても、よほど特別なことがない限りはアナウンスはないでしょう。
なぜなら、コア アルゴリズムの更新についてはGoogleは基本的に何も発表しないスタンスを取っているからです。
サイト全体ではなく、きめ細かく対応
今回の更新で、今までよりもきめ細かく対応することが可能になりました。
スパムのシグナルに基づいてランキングを調整することにより、スパムの評価を下げます。
詳細な情報は提供されていないのですが、低評価の影響がサイト全体に一律に及ぶことがなくなったようです。
サイト内のどのページに対してどのくらい評価を下げるべきかを、より精密に調整できるようになったということでしょう。
同じサイトでも、下がるページもあれば変化がないページもあるという状況が今まで以上に出てくるかもしれません。
検索結果に与える影響は一定ではない
今回の更新が検索結果に与える影響がどのくらいなのかをGoogle(Gary Illyes氏)は公表していません。
リアルタイム更新になったので影響の度合いは定まっていないといったほうが正確です。
@emerikusz_ we don't have a number to share. The number is never stable with realtime algorithms: today it may be 1, tomorrow 42
— Gary Illyes (@methode) 2016年9月23日
今日はほとんど変動がないかもしれないし、明日は大きく動くかもしれません。
クエリによっても差があるでしょう。
スパムが多いクエリでは、少ないクエリよりもずっと日々の変動幅が大きいに違いありません。
更新は完了しない
またリアルタイム更新になったことにより、「更新の完了」というものは存在しません。
更新は絶えず続きます。
再クロール、再インデックスにより変化が常に発生する可能性があります。
@dr_pete it will never be "complete" for a recrawl+reindex may change its effect on pages any time.
— Gary Illyes (@methode) 2016年9月23日
リンクの否認には影響しない
ペンギンアップデートの更新は「リンクの否認」の機能や使い方には何も影響を与えません。
今までどおりと同じように使えるし、同じように働きます。
@glenngabe OK, clearer: no change on using the disavow file. Use it thoughtfully, as always.
— John Mueller (@JohnMu) 2016年9月23日
ペンギン以外のアルゴリズムや手動対策の審査に、リンクの否認が利用されるのも今までどおりです。
@glenngabe We use links in other algorithms too, also relevant for manual actions. Nofollow preceeds Penguin.
— John Mueller (@JohnMu) 2016年9月23日
ということで、ようやくペンギンアップデートの更新が実施されました。
SEO業界的には大きなニュースですが、大多数のサイト管理者にとってはほとんど気にする必要のないニュースです。
影響があるのは、かつてスパムをやっていたサイト、今でもスパムを続けているサイトです。
真面目にサイト運営している僕たちには関係してきません。
コアアルゴリズムに組み込まれたことにより、今後ペンギンが話題になることもなくなるでしょう。