GoogleがURL短縮サービスの提供を始めました。
短縮したURLのドメインは、”goo.gl“です。
”gl”ドメイン名は、デンマーク自治領グリーンランドに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)です。
”gl”は、そこに住んでいなくても、一般人にも取得できるようです。
“le”というドメインがあればピッタリだったのに、残念ですね。(笑)
今のところ、Googleの短縮URLサービスは単独で利用することはできず、GoogleツールバーとFeedburnerとの連携に限定されます。
最新のGoogleツールバーをインストールすると、閲覧中ページのURLを短縮するボタンが付きます。
希望するサービスのアイコンをクリックすると、そのサービスに短縮したURLを送信できます。
対応しているサービスは、Twitter、Gmail、Hotmail、Facebookなどの有名どころから、マイナーなところまで数十そろっています。
日本でいちばんポピュラーな、「はてなブックマーク」にも対応しているところがにくいですね。
Googleツールバーは、Internet ExplorerとFirefoxにインストールできますが、Firefoxではなぜか短縮されません。
また、IE用のインストールファイルは、アンチウィルスソフトによってはウィルスに感染していると誤検知します。
この記事を読むところには対応できているはずなので、最新の定義ファイルにアップデートしておくといいでしょう。
Feedburnerには、管理画面の「集客支援」に「Socialize」というメニューが加わりました。
Twitterのアカウントを登録しておくと、記事が投稿されるとURLを短縮したうえで、Twitterへ自動的にツイートしてくれます。
投稿したプログラムが、「Google」になってますね。
GoogleのURL短縮サービスには、次のようなメリットがあります。
- 安定性:Googleが所有する複数のデータセンターで管理されているので、ダウンする心配が極めて低いです。サービスが落ちたら、短縮元のページにアクセスできなくなってしまいますね。
- 安全性:悪意のあるページへつながっていないか、自動的にチェックし、怪しい場合は警告を発してくれます。僕が以前使っていたCligsでは、ハッキングを受けてエライ目にあいました。
- スピード:短縮元のURLに戻す処理が速いです。短縮URLのままで、なかなか展開されないとイライラしますよね。
あとは、安心ということも付け加えていいのではないでしょうか。
もしURL短縮サービスの提供元が潰れたりして、サービスの存続を止めてしまった場合、それまで短縮したURLはすべてアクセスできなくなってしまいます。
こういった事態が起こらないように、終了したURL短縮サービスを引き継ぐ”301Works”という団体が発足しましたが(概要をWeb担で紹介しました)、Googleが潰れるということは、まずないでしょう。
なくはないですが、Googleが潰れたら、もはや「短縮サービスが利用できなくなる」という次元の話ではありませんね。
いいことづくめのようなGoogleのURL短縮サービスですが、今のところイマイチです。
まず、Firefoxでうまく機能しません。
Feedburnerの自動投稿は、Google AnalyticsのトラッキングコードがRSS配信と同じなので、RSS経由なのかTwtter経由なのか区別できません。
変数を設定しておけば変わります。
僕が使っているWordPressのTwitter投稿プラグイン”WP to Twitter“は、トラッキングコードをカスタマイズできます。
あとは、単独でURLを短縮できないのも使い勝手が悪いですね。
Twitterボタンなり、Gmailボタンなりをクリックしないと短縮できません。
登録サービス以外で使うには、コピペの手間がかかります。
今後は単独での提供も開始すると思われるので、それまで「“待ち”かな」というのが率直な感想です。
ただ、GoogleがURLの短縮サービス提供に乗り出したというのは、無視できません。
考えてもみてごらんよ。Twitterを使っている人は、おもしろいウェブページを見つけたら、短縮サービスを使ってURLをTweetする。短縮サービスの運営者は、どのウェブページが今人気かをリアルタイムで把握できる。特定の商品に関連するページが人気だと分かれば、ECサイトはその商品をフィーチャーしたページ作りをすることで売り上げを増やせる。リアルタイムで人より速く情報を得られることはすごいことなんだ。
~ 湯川鶴章のIT潮流 ~
Googleの短縮サービスを使うユーザーが増えれば、Googleはどのサイト、どのウェブページが人々の注目を集めているのか把握できます。
短縮された数、クリックされた数などのデータを取得できますよね。
多くのユーザーに短縮され、多くのユーザーにクリックされたということは、注目度の判断材料になるはずです。
Twitterのリンクにはnofollow属性が付くので、PageRankを上げるのには役立ちません。
しかし、Twitterや他のソーシャルサイトでの言及数が多いことが、ランキングのプラス材料に働くことがあったとしても不思議ではないですよね。
「順位アップのためには”goo.gl”で短縮」なんていうことが、あるかもしれません。
最後におまけで、自分のサイトがTwitterでどのくらい言及されているかを調べるツールを紹介します。
backtweetsといいます。
URLを入力すると、そのURLが含まれるツイートを表示します。
短縮されていても展開してチェックしてくるのが、優れものです。
RSSでの購読も可能なので、自分のブログ記事がどのくらいTwitterに流れているかウォッチしてみましょう。
goo.glでの短縮があれば、しめたものかも。w
【UPDATE】
Google Chrome用のエクステンションが出ています。
goo.gl shortener