遅いページとインタースティシャルは次のモバイルフレンドリーアップデートで評価を下げられるかも

[レベル: 初・中・上級]

5月12〜13日に、豪シドニーで SMX Sydney 2015 が開催されました。
このカンファレンスでは、先日実施されたモバイルフレンドリーアップデートについて、GoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏が講演しました。

セッションに参加していたWoj Kwasi氏が内容をブログでレポートしています。
Kwasi氏の許可を得られたので、僕のブログで日本語で紹介します。

モバイルフレンドリーアップデートを実行したことについて

実際のところうまくいった。4月21日より前にモバイルフレンドリーではなかったサイトの多くが、実際にモバイルフレンドリーに移行した。

これ(多くのサイトがモバイルフレンドリーになったこと)が理由で、大きな順位変動が起こらなかった。

このアップデートは1週間前に展開を終了したばかり。私たちのインデックスシステムにとっては大きな変更だった。今はすべてのページを再インデックスしモバイルフレンドリーのスコアを再計算しなければならない。

ページスピード

ページの表示速度に関しては、ここでもう終わりにするつもりはない。アルゴリズムをどうやったら改善できるかということについて数個のアイディアがある。4月21日以前からあるものだ。

現状では、ページの表示速度は(モバイルフレンドリーの)アルゴリズムの一部ではなく、モバイルではページの表示速度を見ていない。しかし、おそらく将来的には変えたいと思うだろう。

たとえば、モバイルフレンドリーの条件を満たした100MBのページをツイッターでだれかが共有したとして、そのページをデータ回線で表示するのに2時間半かかったとしたら、間違いなくそのページをモバイルフレンドリーだとは私はみなさないだろう。

モバイルフレンドリー化に役立つツール

モバイルフレンドリーアップデートの更新にあたってはウェブマスターを手助けできるように、ツールとドキュメントを提供したかった。だから、2か月前に発表した。

こんなふうにアルゴリズム変更する前に、発表するというのは今までになかったのではないかと思う。

発表の時点で、詳細なドキュメントとモバイルフレンドリーテストツールを利用できるようになっていた。どのツールもウェブマスターがモバイル化を進める助けになった。

その後、サイト全体を検証する機能をウェブマスターツールのなかで提供するのもいいのではないかと考えた。何がサイトで主要な問題になっているかを教えてくれる。ユーザーからはとても役に立つというフィードバックを得ている(鈴木注: 「モバイルユーザビリティ レポート」のことと思われます)。

ユーザー体験 vs. コンテンツ

ユーザー体験がコンテンツよりも重要だということは絶対にないだろう。サイトのランキングを決めるのはコンテンツ。

200あまりの指標を私たちはたしかに使っていて、モバイルの検索順位に関していえばユーザー体験はランキング要因になっている。

コンテンツの再構成については、サイトを訪問したときにできるだけ速くメインコンテンツを見つけられるようにすることを本当に推奨する。

モバイルではデスクトップよりも時間は貴重だ。たとえば、家で座りながらRedditを見ているときは読みたいスレッドまで簡単に行ける。しかしモバイルでは、面白そうなスレッドを見つけるまでに下までずっとスクロールしていくのはものすごく大変だ。

タブレット

デスクトップ向けページを適切に表示するのに、タブレットのスクリーンは十分な大きさがあると考えている。なので、私たちはタブレットをデスクトップ端末とみなし、モバイル版の検索ではなくPC版の検索をタブレットには提供している。

遅いページとインタースティシャルが次の標的か?

以上です。

参照元記事の内容が正確であることを、イリーズ氏本人に確認しているので信用して大丈夫です。

ページスピードは、モバイル検索のアルゴリズムにそう遠くない将来に組み込まれるんじゃないかなと予想したくなりますね。

また、そのページの主要なコンテンツを発見しづらい構成は評価を下げられるかもしれません。

ページの上部に広告が多いレイアウトが真っ先に思い浮かびますが、個人的にはインタースティシャルも危険だと考えます。

モバイル端末から閲覧するときに、最も不快なことは何?

この質問を、GoogleウェブマスターのGoogle+公式アカウントが尋ねました。
次のような結果が出ています。

476 of you voted on our 2nd #MobileMadness poll, “What do you dislike the most when browsing the web on your mobile device?” (goo.gl/3xO0DV).
The results are in—43% of you responded waiting for slow pages to load.

不快に感じることの1位は遅いページ、2位はインタースティシャルです(ちなみに、日本語のアンケートでは、この記事を書いている時点では、1位がインタースティシャルです。ただし回答数がかなり少ない)。

なお僅差で3位の再生できない動画は、すでにモバイル検索で評価を下げる要因になっています

調査方法はともかくとして、遅いページやインタースティシャルを嫌っているユーザーが多いのは確かだと思います(僕も嫌いです)。

ユーザー体験がコンテンツよりも重要視されることはないとイリーズ氏は言いつつも、特にモバイルでは、今後もユーザー体験を軽視すべきではなさそうです。
もっとも、SEOを抜きにしても、ユーザー体験は向上させるべきですね。