リンクベイト(linkbait)、リンクベイティング(Linkbaiting)とは、注目を浴びる記事を書いて、自然発生的に多くのリンクを集めることを言います。
誰も知らない驚きの発見の記事だったり、それまでの定説を覆すような記事だったり、批判的・攻撃的な記事だったり、種類はさまざまです。
リンクベイトを利用して、被リンクを集めるSEO戦略もあります。
しかし、リンクベイトもやり方によっては、ペナルティの対象になってしまうかもしれません。
Lyndon Antcliffというオンラインマーケターが、クライアントためのリンクベイトキャンペーンとして、『13 Year Old Steals Dad’s Credit Card to Buy Hookers』というタイトルの記事をmoney.co.ukに掲載しました。
「13歳の少年が、父親のクレジットカードを盗んで追加のカードを発行させ、友人と共にモーテルで$30,000で娼婦を囲いXboxを楽しみ、警察に捕まった」というストーリーの話です。
この話は注目を浴び、世界最大のソーシャルニュースサイトのDiggで2,500もの支持を得たうえに、News.com.auといった大手ニュースサイトにも取り上げられました。
リンクベイト戦略としては、大成功だったわけです。
しかし、この話は実はまったくの作り話でした。
しかもフィクションであることを補足することもなく、実話であるかのように見せかけていました。
これに対して、Googleのウェブスパム対策チームのボス、Matt Cutts氏がSphinnのコメントで反応しました。
My quick take is that Google’s webmaster guidelines allow for cases such as this: “Google may respond negatively to other misleading practices not listed here (e.g. tricking users by registering misspellings of well-known websites). It’s not safe to assume that just because a specific deceptive technique isn’t included on this page, Google approves of it.”
There’s not much more deceptive or misleading than a fake story without any disclosure that the story is hoax.
「Googleは、誤解を招くような情報には否定的に対応することがあり、今回のような架空の話だと公開しない作り話ほど、人を欺き、誤まらせるものはない」という見解です。
このコメントを見たためか、現在money.co.ukのサイトからは全文記事が削除され、抜粋だけになっています。
Matt Cutts氏のコメントに対しては、「正しい情報を伝えるべきだから、容認できる」という肯定的な意見から、「Googleが検閲のような行為を行うべきではない」という否定的な意見まで賛否両論で、議論が白熱しています。
Sphinnの他にも、この件に関して多くのサイトが今回の事件について取り上げ、ちょっとした話題になっているほどです。
被リンクを集めるSEOの一環として、リンクベイティングは有効な手段ですが、やりすぎには注意ということですね。