新しいgTLDにSEO的な優位性はゼロ、Googleが扱いについて公式見解を述べる

[レベル: 初級]

新しいジェネリック トップレベル ドメイン (Genelic Top-Level Domain: gTLD) の扱いについてGoogleがウェブマスター向け公式ブログで説明しました。
オリジナルの英語記事とあわせて、ほぼ同タイミングで日本語訳記事も公開しています。

なお新しいgTLDとは、たとえばバイクや自転車を意味する「.bike」やカメラを意味する「.camera」、家を意味する「.house」です。
「.london」(ベルリン)や 「.tokyo」(東京)のように特定の地域に結び付けられたものもあります。
正確な数字は調べていませんが、現在は300近く 400以上あるはずです。

他のgTLDと同じ扱い、有利に扱うことはない

基本的に、新しいgTLDは、.com や .net、.org のような従来からある gTLD と同じように扱われます
ドメイン名だけが理由で、評価が高まることも低くなることもありません

カメラを想起させる「.camera」ドメイン名も、ロンドンを想起させる「.london」ドメイン名 も、日本語の「.みんな」ドメイン名も、どれも例外なく同じ扱いです。
.camera ドメイン名を使っているサイトだからといって、カメラとの関連性が高いと判断したりはしません。
.fish ドメイン名を使っているカメラサイトと条件は同じです。

詳細は公式ブログ記事で確認してください。

Googleは以前から同じスタンス

新しいgTLDを特別扱いしないことをGoogleは以前から何度も説明しています。
僕も数回取り上げてきました。

僕たちにとってはまったく新しい情報ではありません。
とはいえ一般のサイト管理者までには十分に浸透しておらず、疑問や誤解が多いため説明したようです。
もっともGoogleからこうして公式見解を述べてもらうことで安心できるという利点がありますね。

ブランディングにはメリットあり

新gTLDにSEO的なメリットはないとしても、ブランディングという観点から見ればメリットがあるかもしれません。

GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏はGoogle+で次のようにコメントしています。

The new top level domains are a good opportunity for folks to get that domain name they really wanted for their website or business. A bunch of Googlers got together to work out a short FAQ on how they’re handled in search, the result is linked below. Somewhat simplified: if you spot a domain name on a new TLD that you really like, you’re keen on using it for longer, and understand there’s no magical SEO bonus, then go for it :-).



新しいトップレベルドメインは、ウェブサイトやビジネスに対して本当に望ましいドメイン名を手にしたい人にはとてもいいチャンスだ。(中略)本当に気に入ったドメイン名が新TLDで見つかったなら、より長い期間そのドメイン名を使うことに乗り気になれる。SEOで魔法のような特典がないことを理解したうえで取得するといい。

たとえば、旅行代理店のサイトが「.travel」ドメイン名を使っていたり、名古屋という地域に根ざしたサービスを提供しているサイトが「.nagoya」というドメイン名を使っていたりすれば、内容とマッチしますね。
利用者に名前を覚えてもらいやすくなるかもしれません。

新しいgTLDに、SEO的な優位性はありません。
しかし検索エンジンではなくユーザーを相手にすれば、新しいgTLDを使う理由が見えてくることがありそうです。

P.S.
GoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏によれば、.party ドメインでは、ジョンとゲイリーのサイトから特定のサイトにはPageRankを追加で「1」転送してもらえるそうです。w

For .party domains John and I will transfer from our own domains +1 PageRank to the specific domain.