GoogleがBardプレビュー版を公開。Bardにできること・できないこと

[レベル: 上級]

Google は、Bardプレビュー版を公開しました。

Bard は、AI を用いた対話型のチャットツールです。
ChatGPTBing チャット に相当します。

米国と英国でリリース

プレビュー版 Bard はまず、米国と英国で公開されました。
順番待ちリストに登録した後に順次、利用開始となるようです。
📝すずき注: Workspace アカウントでは申込み不可、個人アカウントのみ

Bard Waitlist

登録が完了すると通知が送られてきます。

Bard Waitlist

僕は日本にいるので当然のことながら使えません😭
すでに使えているユーザーによる Twitter の投稿から気になる情報を集めました。

アトリビューションが付くことも

回答のもととなったソースやアトリビューションは、基本的には示さないようです。
ですが、まれに示すこともあるようです。

日本語サポート

日本語をおそらくサポートします。
📝すずき補足: UI は英語かもしれないが日本語サポートに関してはほぼ間違いなく問題ないはず(根拠は明かせないのだけれど🙊)。

次の言語をサポートすると Bard 自身が回答しています。
📝すずき補足: これらの言語がすべてではない

  • 英語
  • フランス語
  • スペイン語
  • ドイツ語
  • イタリア語
  • ポルトガル語
  • ロシア語
  • 中国語
  • 日本語
  • 韓国語

最新情報も知っている

ChatGPT は(GPT-4 をベースにしていても)、原則的に、2021 年 9 月までの情報しか認識しません。
対象的に、Bard は最新の情報も知っています。

Bing チャット と同じように、ウェブクローラが取得した情報を利用できるからでしょう。
検索エンジン会社の強みが出ていますね。

コーティングできない

ここからは、Bard が劣っている特徴です。

コーディングが苦手です。
少なくとも、JavaScript は書けなさそうです。

ちなみにコーディングは、ChatGPT が最も得意とするタスクの 1 つです。

でっちあげ

事実ではないことをでっちあげてしまう、いわゆる “hallucination”(ハルシネーション)は Bard でも健在です。

本を出版したことがないにもかかわらず、いくつかの書籍の著者だとその人のことを説明しています。

もっとも、指摘に対しては間違っていたと認めてもいます。

hallucination は、Bard だけではなく、ChatGPT にも Bing チャット にも、すべての AIチャット が抱える克服すべき問題です。

翻訳と物理も苦手?

多数の言語をサポートと説明しましたが、こちらのユーザーが試した限りでは翻訳はからきしなようです。
ChatGPT や Bing チャットはこなしています。

物理法則も理解できていないことがあるようです。
次のような質問を各 AI チャットに質問しました。

紙の両端を両手で持ち、右側を離しました。どうなるでしょう?

  • A. 落ちる
  • B. 右側だけ落ちる
  • C. 何も起きない
  • D. 左側だけ落ちる

Bard は「A」を選びました。
ChatGPT と Bing チャットは、「B」を正しく選んでいます。

なお、先に言及したように、Bard はやはりコーディングもできません。

Twitter を漁ればもっといろいろな Bard 体験を見つけられます。
ざっとみたところ、既存の AI チャットと比較して、特に秀でてるところはなさそうな印象です。
むしろ、劣っている点もありそうです。
「Google だから」という分、僕たちの期待値が高いせいもあるでしょうが、革新的なツールのようには今のところ思えません。

そうは言っても、自分で使ってみないことには批評はできません。
利用開始になることを心待ちにします。