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Google はヘルプフル コンテンツ システム (Helpful Content System) をアップデートしグローバルで展開しました。
ヘルプフル コンテンツ システムは、2022 年 8 月 25 日に新たに導入されたランキングシグナルです。
ユーザーファーストのアプローチにのっとって作られたユーザーの役に立つコンテンツを上位表示し、反対に、検索トラフィックの獲得を主眼に置いて作られた検索エンジンファーストのコンテンツが検索結果で目立たないようにすることを目的としています。
なお、導入当時はヘルプフル コンテンツ アップデートと読んでいましたが、現在はヘルプフル コンテンツ システムと呼びます。
ヘルプフル コンテンツ システムに限らず、全般的に「アップデート」は「システム」に置き換えられました。
予想外に早いヘルプフル コンテンツ システムの日本語導入
ヘルプフル コンテンツ システムのグローバル展開は Twitter でアナウンスされました。
The Dec. 2022 helpful content update was released Dec. 5, starting to become more visible today & will take about two weeks to fully roll out. It improves our classifier & works across content globally in all languages. Our help page explains more: https://t.co/MS7hbcBTsp
— Google Search Central (@googlesearchc) December 6, 2022
2022 年 12 月のヘルプフル コンテンツ アップデートが 12 月 5 日(太平洋時間)にリリースされています。本日(同時間 12 月 6 日)からよりはっきりとわかるようになり、完全に展開するまでには約 2 週間かかるでしょう。
このアップデートではクラシファイア(分類子)が改良され、すべての言語においてグローバルで有効になります。
(ヘルプフル コンテンツ システムに関する)詳細はヘルプページで説明しています。
https://developers.google.com/search/updates/helpful-content-update
検索ランキング アップデートの履歴ページにも、December 2022 helpful content update として記録されています。
📝すずき注: この記事を書いている時点では英語ページのみ
書かれている内容はツイートと同じです。
ヘルプフル コンテンツ システムは言語処理が関係してくるアルゴリズムです。
英語以外への言語の導入には、早くても 1 年くらいかかるのではないかと予想していたのですが、予想を遥かに上回る短期間での展開となりました。
事実、同じように言語処理が関係してくるプロダクトレビュー アップデートは 2021 年 4 月にリリースされ、1 年半以上たっていますが、いまだに英語コンテンツだけが対象です。
開発担当チームががんばったのでしょうか?
今度はランキング変動があるのか?
ヘルプフル コンテンツ アップデートの第一弾は、全体的に見ると、予期したほどの順位変動は発生しませんでした。
本当に役に立たないサイトだけが部分的に影響を受けたようです。
コンテンツが役に立つものか役に立たないものかを判断することにかかわってくる Classifier(分類子)の改良にアナウンスは触れています。
果たして、Classifier の改良を施した第二弾は大きな変動を引き起こすでしょうか?
展開完了までの 2 週間ほどは動きに注視しましょう。
なお、いくつかのランキングチェックツールを調べたところ、今の時点では、グローバルでも日本でも目立つ変動は観測されていませんでした。
今後もし、悪い影響を受けたようであれば、有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成するためのガイダンスを参考にしてコンテンツを改善します。
なお、次の 2 点については注意が必要です。
- ヘルプフル コンテンツ システムはサイト全体で評価する――役に立たないコンテンツが多いと、サイト内のそうでもないコンテンツの評価も同時に下がることがある
- リカバリには数か月かかることがある――品質が改善されたことを確信できるまでには相当の時間を必要とする