【99%公式】Google、パンダアップデートを日本にも導入 at SMX West 2011

lots of pandas
Photo taken by Stéfan

ファーマー・アップデート、またの名をパンダ・アップデートと名付けられたGoogleのアルゴリズム変更が実行されてから、2週間少しが過ぎました。

パンダアップデートが導入された米Googleでは、全検索の約12%に影響が出るというGoogleの公式アナウンスどおり大きな順位変動が発生しています。
僕たち、日本のウェブマスターにとって最大の関心事はパンダアップデートが日本のGoogleにもやってくるのかどうかです。

結論を言います。

パンダアップデートは日本にも導入されます。

SMX Westで、GoogleのMatt Cutts氏に僕が直接聞いてきました。

100%公式とは言えないかもしれませんが、明確に回答を得ました。

:パンダアップデートは日本にも展開するの?

マット・カッツ:ああ、日本にも導入するよ。今は評価中でいつ導入するかは決まっていないけどね。でも日本や英国など米国外の国にも間違いなく導入する予定だ。
ただパンダアップデートは米国での問題(コンテンツファーム)を解決するのが主な目的だったから、米国ほどのインパクトはないだろうと思うよ。

具体的な日程は決まっていない(裏を読むと公表できない?)ものの、日本をはじめ他の国にも導入するのは確実なようです。

しかし、パンダアップデートはコンテンツファーム対策として実行されたました。
(もっともGoogleはコンテンツファームという言葉をパンダアップデートの中ではまったく用いていませんが。)

日本ではコンテンツファームに該当するようなサイトは少ないと考えられます。
したがって、全検索の12%にも及ぶような大きな影響はなさそうです。
戦々恐々としていたサイト管理者もいたかもしれませんが、多少は落ち着いて迎えられそうですね。

とはいえ、少なからず順位変動は起こるでしょうし、パンダアップデートが標的にした「質の低い」コンテンツのサイトが検索結果から排除されることが期待できます。

パンダアップデートで被害を受けないように今から準備しておいても損はないでしょう。
正確に言えば、パンダアップデートの被害を受けないというより、質の低いコンテンツをなくし質の高いコンテンツを作成するという意味です。

SMXで得たパンダアップデート関連の情報をリスト形式でまとめます。

●パンダアップデートの特徴

  • 影響を受けたサイトには、質の高いコンテンツと質の低いコンテンツの両方を持っているサイトがある。
  • 質の低いページがあるとサイト全体に影響する。
  • 質が低いと判断される可能性がある要因
    • 質と量の比率
    • ドメインのオーソリティに頼っている大きなサイト
    • 質の高いページがほとんどない小さなサイト
    • 広告やリンクが多すぎる
    • Above the foldに、広告が多い、コンテンツが少ない
    • ソーシャルサイトで共有されていない
    • トップページへのリンクに比べ内部ページへのディープリンクの比率が低い

●パンダアップデートへの対応

  • サイトをクリーンにする
    ⇒ 薄っぺらいコンテンツをなくす
  • ブランドを構築する
    ⇒ リンクを集める
    ⇒ ディープリンクを集める
  • プロモーションする
    ⇒ リンクされないようなコンテンツを大量に作らない
  • クラウドソースでコンテンツを作っているときは質の低いコンテンツが増えないように気をつける。
    ※ここでのクラウドソースは、ユーザーにコンテンツを作らせたり外部のフリーランサーと契約して記事を書かせたり、数の力でコンテンツを大量に作ることを意味する。

「質が低い」「薄っぺらい」コンテンツが具体的にどういうコンテンツなのかは誰にも分からないというのが実情です。

数学的(アルゴリズム)に処理していることは間違いありませんが、1年がかりでGoogleが開発してきたアルゴリズムなので一言で片付けられるようなそう単純なものではないでしょう。

コンテンツファームの代表サイトとされるeHowMahaloのページを同じキーワードでの検索で比べた場合、順位の落ちていないeHowのページは、パンダアップデートで大きな影響を受けたMahaloと比較すると、Above the foldにコンテンツが多く逆に広告が少なく、内容もしっかりしていたとの観測も紹介されていました。

Googleは、パンダアップデートの導入前のテストで社外テスターに次のような質問をしました。

  • このサイトでクレジットカードを使ったとしても抵抗がないか?
  • このサイトで処方された薬を子供に与えたとしても抵抗がないか?
  • このサイトに権威を感じるか?
  • これが雑誌に載っていたとしても大丈夫か?
  • 広告が多すぎやしないか?

こういった問いかけを人間が直感的に判断するのをアルゴリズムで実現したとのことです。
自分の作ったコンテンツの質が高いかを見極めるのに、知り合いに同じような質問をしてみるといいかもしれません。
あなたが質が高いと思い込んでいるだけで、一般ユーザーにはそのように評価されないことがありそうです。

パンダアップデートでは、サイト内に質が低いページが多いと、たとえ質が高いページがあったとしても、サイト全体に悪影響を与えます。

質が低いと思われるページがある場合は要注意です。

思い切って削除するのも1つの手ですが、もっといい方法を2つGoogleのMailie Ohye(マイリー・オイェ)さんが説明していました。

  1. robots.txtでブロックする。
  2. noindex robot meta タグ一時的にを記述し、コンテンツを充実させたら取り除く。

せっかく作ったページをブロックしてしまうのはもったいないので、2がオススメでですね。
もちろんユーザーの役に立つコンテンツを作成しなければなりません。

またコンテンツの量(文字数)が多ければいいかというそう単純なものでもないようです。
そしてコピーではなくオリジナルなコンテンツならそれで十分かといったらそれも違うようです。

先程も言ったように、「質が高い」か「質が低い」かをどうやってGoogleが区別するのかを知ることは難しそうです。
恐らく誰にもハッキリとは分からないでしょう。

でも僕は思います。
「質が高い」か「質が低い」かをいちばんよく分かっているのは、そのコンテンツを作っているあなた自身ではありませんか?
あなたのサイトのそのページには訪問者にとって役に立ち満足してもらえるコンテンツが載っていますか?

GoogleのMatt Cutts氏によれば、パンダアップデートに対する評価は一般ユーザーからもウェブマスターからもとてもポジティブなフィードバックが寄せられているそうです。

質の高いコンテンツを提供できているサイト管理者にとってはパンダアップデートの導入が待ち遠しいですね。