[レベル: 中級]
Google は、国別コードトップレベルドメイン (ccTLD) で提供していた検索をすべて .com ドメインに統合します。
日本の Google 検索で使用されていたドメイン名の www.google.co.jp
は、日本から検索する場合でも www.google.com
になります。
ccTLD は .com にリダイレクト、今後数か月間にわたって段階的に
こちらは、Google のアナウンス全文です。
When you’re searching on Google, we aim to provide the most useful information, and many times that includes providing locally relevant search results. Historically, as a part of our process to provide localized results, we’ve used country code top-level domain names (ccTLD), such as google.ng for Nigeria or google.com.br for Brazil.
Over the years, our ability to provide a local experience has improved. In 2017, we began providing the same experience with local results for everyone using Search, whether they were using google.com or their country’s ccTLD.
Because of this improvement, country-level domains are no longer necessary. So we’ll begin redirecting traffic from these ccTLDs to google.com to streamline people’s experience on Search. This change will be rolled out gradually over the coming months, and you may be prompted to re-enter some of your Search preferences in the process.
It’s important to note that while this update will change what people see in their browser address bar, it won’t affect the way Search works, nor will it change how we handle obligations under national laws.
日本語訳(意訳)です。
Google で検索する際、Google は最も役立つ情報を提供することを目指しており、多くの場合、それには地域に関連性の高い検索結果の提供が含まれます。これまで、ローカライズされた結果を提供するプロセスの一環として、ナイジェリアには google.ng、ブラジルには google.com.br のように各国の ccTLD を Google は使用してきました。
長年にわたり、ローカルな体験を提供する Google の能力は向上しました。2017 年には、検索を利用するすべてのユーザーに対し、google.com を使用していても、自国の ccTLD を使用していても、ローカルな結果を含む同様の体験の提供を開始しました。
この改善により、国レベルのドメインはもはや必要なくなりました。そのため、Google は検索におけるユーザー体験を効率化するため、これらの ccTLD からのトラフィックを www.google.com へリダイレクトするプロセスを開始します。この変更は今後数か月かけて段階的に展開され、その過程で、検索設定の一部を再入力するよう求められる場合があります。
留意すべき重要な点として、このアップデートによりブラウザのアドレスバーに表示される内容は変わりますが、検索の仕組み自体や、国内法に基づく Google の義務の履行方法に影響はありません。
つまり、日本の Google の URL である https://www.google.co.jp
にアクセスしても、米国の Google に設定されている https://www.google.com
にリダイレクトされるようになります。
今後数か月かけて段階的に展開するとのことです。
www.google.com
にアクセスすることになっても、URL(ドメイン名)が変わるだけです。
ほかは変わりません。
言語設定を日本語にしていれば、
- メニューは日本語
- 日本語ページが検索結果に優先的に表示
です。
また、物理的に日本から検索していれば、
- 日本の結果が優先的に表示
(もっと言えば、日本国内でも今いる地域に関連する結果)
されます。
SEO への影響は最小限
ccTLD から .com
ドメインへの移行に伴う SEO への影響は最小限と思われます。
アナウンスから解釈できる限りでは、www.google.com
にアクセスするようになったとしても、従来の www.google.co.jp
で検索したときと同じ検索結果が提供されるはずです。hreflang
も含めて、特別な対応は不要でしょう。
現状も、言語設定が日本語、検索場所が日本国内であれば、www.google.com
にアクセスしても www.google.co.jp
で検索したときと同じ結果が表示されます。
📝すずき補足:若干の違いはあるかもしれないが、.com と .co.jp の違いというよりは、タイミング(結果を配信するサーバー?)の違いによるもの
影響があるとすれば、ランキングチェックツールでしょうか。
特に、日本以外の国のランキングもチェックしている場合です。
すべて、チェックツールの IP アドレスに基づいた国・地域からの結果になってしまう可能性があります。
また、日本からでは米国を含む他の国の結果を調べられなく(調べづらく)なります。
これは、言語パラメータと国パラメータを追加することで回避できます。
日本にいながら、米国での英語の結果を見たければ、次の URL にアクセスします。
https://www.google.com/?gl=us&hl=en
📝すずき補足:この URL が意味するところの詳細はこちらの記事で解説
ただし、完全には米国での結果にはなりません。
米国での結果にさらに寄せたければ、VPN を使う必要があります。
まとめると、この変更によってユーザーがアクセスする Google ドメインは変わりますが、ローカル検索も含めてウェブサイトのランキング方法が直接変更されることは想定されていません。
引き続き、関連性が高くローカライズされたコンテンツを提供することが重視されます。
グローバル SEO も同様です。
調整が必要になりそうなのは、日本以外の国・地域の検索パフォーマンスデータをどのように追跡し分析するかという点になります。