[レベル: 上級]
デジタル市場法 (Digital Markets Act、DMA) に対応するために、Google は比較サイト専用のブロックを検索結果に掲載するテストを行なっています。
DMA は、欧州連合 (EU) で事業を行う組織に影響を与える規制です。
デジタル経済をより公正で競争力のあるものにするために、検索エンジンやソーシャルメディアサービス、ウェブブラウザなどのデジタルプラットフォームサービスを規制することを目指しています。
Google や Amazon、Meta など大量の消費者データを処理する大手テクノロジー企業、または「ゲートキーパー」と呼ばれる企業に対する反トラストの懸念に対処することが目的です。
📝すずき補足:DMA の詳細はウィキペディアを参照
比較サイト用ブロック
DMA への対応として Google は EU 圏内の検索にいくつかの変更を加えます。
そのうちの 1 つは、比較サイト専用のブロックを検索結果に掲載することです。
こちらは、フランスの Google で [cheap flights from paris to london](パリからロンドンへの格安航空券)を検索したときに掲載される比較サイト専用のブロックです。
Skyscanner や KAYAK といった著名なフライト比較サイトが載っています。
こちらは、[best hotels in tokyo](東京のおすすめホテル)の検索結果に出てくる比較サイト専用ブロックです。
トラベルサイトとして名の知れた Tripadvisor も出ていますね。
こちらは、[bike repair paris](自転車修理 パリ)の検索結果に出てくる比較サイト専用ブロックです。
先頭に出ている Yelp はローカルビジネスの検索サイトで、Google マップの競合です。
DMA 対応として、比較サイト専用ブロックの他にも次のような変更を Google は検索に加える予定です。
- コンテンツや広告のパーソナライズの同意を求めるバナーの表示
- ウェブ検索結果に挿入する Google フライト検索ボックスの廃止
- Android スマホでのデフォルトの検索エンジンやブラウザの選択
- 個人データの入手方法の拡充
DMA は EU での法案です。
したがって、僕たち日本の Google 検索ユーザーには直接影響しません。
情報として知っておかなかったとしても、不利益にはならないでしょう。
EU が大手テック企業に厳しい事例の 1 つとしてこの記事で取り上げました。