ページスピードをGoogleはどのようにしてランキング要因に組み込んだのか?

[レベル: 中級]

Google 検索チームの社員が検索に関するトピックをポッドキャストで配信する Search Off the Record の新しいエピソードが公開されました。

語り手として出演するのはいつもの 3 人です。

3 人が今回テーマにしたトピックは、ランキング要因としてのページスピードです。
言い換えると、ページ エクスペリエンス シグナル/コア ウェブ バイタルの 1 つの要素でもあるページ表示の速さをランキング要因に組み込むことにした過程を語っています。

ページスピードの重み付けをどうするか?

ページスピードをランキング要因に組み込む際に考慮する必要がったのは、その重み付けです。
つまり、どのくらい強い要因にするかです。

HTTPS をランキング要因にしたときにも同じことを考慮しました(ゲイリーは HTTPS アルゴリズムを組んだ人)。

当初は、HTTPS アルゴリズムはもっと強い影響力を持つように設計していたそうです。
しかしながら、そうすると関連性を上回ってしまうことが多く、検索品質が下がってしまいました。
HTTPS じゃないからという理由で、もっと関連性が高いページが検索結果に出づらくなってしまったのです。

コンテンツの内容が何よりもまず重要です。
これでは検索ユーザーに要望に叶う検索にはなりません。

何度かテストを繰り返し、重みを少しずつ弱めました。
最終的に、同じような関連性・品質のページがあったときに優劣を付ける “tie breaker”(タイ ブレーカー、同点決勝)としての比較的弱いランキング要因に落ち着きました。

ページスピードの重み付けも HTTPS と同様のプロセスをたどりました。

中身が空っぽの真っ白なページを公開すれば、超高速なページができあがります。
ですが、こんなページを検索結果に出すわけには行きません。
ページスピードについてもテストを繰り返して tie breaker としての強さがベストだろうという結論に至りました。

テストには、Google 自身の分析のほか人間の評価者による評価も利用しています。

tie breaker はしばしば影響する

HTTPS は、同じような評価のページの優劣を決定する tie breaker としての役割を果たすわけですが、めったに利用されないということでもないようです。
“more often than not”、大抵の場合におきているとのことです。
ページスピードが影響を与える検索結果も想像するよりは多いのかもしれません。

とはいえ、ランキング自体に与える影響は小さなものです。
大きな順位変動を起こすことはないと Google は考えています。

ポッドキャストでは、ページスピードに関連して次のようなトピックについても語られています。

  • クロールのページスピード
  • レンダリングのページスピード
  • ユーザーインタラクションに反応するスピード
  • ページスピード スパム

この記事では、これらのトピックについては触れないので興味がある人はポッドキャストで確認してください。
音声で聴くのではなく、文字起こしした PDF を読むこともできます。